2015年10月9日、中国の陳真萍(Chen Zhenping)さんが、ヘルシンキの空港に到着しました。彼女は法輪功修練者というだけで、長い間中国当局により拘禁されていました。ようやく自由を手に入れ、空港で家族と久しぶりの再会を果たしたのです。

陳さんは当局から異端とみなされていた法輪功を利用して法体制の転覆を図ったとされ、8年の服役を命じられ」、6年半もの間、獄中生活を強いられました。2015年3月に釈放されていましたが、その後も当局の厳しい監視のもとに置かれていました。

事の発端は、2008年にさかのぼります。その年の6月、陳さんは逮捕されました。令状もなく、突然のことでした。家族は何度も弁護士を雇おうと試みましたが、北京オリンピックを目前に控えた中国政府は、弁護士たちに陳さんの件を担当しないよう圧力をかけました。

そして10月、家族は裁判所からの連絡で、陳さんが服役刑を科せられたと知らされました。ようやく弁護士を見つけることができましたが、裁判記録の請求に行くと、今度は法廷から法輪功修練者には弁護士を付ける権利がないとはねつけられます。代わりに18歳の娘さんが記録を請求しようとしましたが拒否され、職員からも暴力を受けました。裁判記録を入手した時には、もう控訴期限が切れていました。記録からは陳さんへの尋問をせずに裁判が進んだことが伺えます。

2009年に家族や友人が面会する機会を得ましたが、痩せ細り、衰弱していたといいます。監視員に囲まれ、自由に話すことも許されていませんでした。同じ刑務所の受刑者によると、虐待により3本の歯を失い、電気ショックを与えられ、中枢神経を害する薬物を無理やり注射されていたそうです。自分の信念を撤回しなかったことで、虐待されたとみられます。

アムネスティでは陳さんを「危機にある個人」だと考え、世界中で彼女の釈放を求める運動を展開し、ヨーロッパ支部を中心にオンライン・アクションや手紙書きなどを積極的に行ってきました。それが、今回の釈放につながったのです。

事件当初から支援してきたアムネスティのみなさんに対し、陳さんから感謝の言葉が届いています。

陳さんからのメッセージ

今日、私はようやく自由の地、美しきフィンランドにやってくることができました。とても感動しています。アムネスティのみなさん、そして信念を貫こうとするが故に、苦境にある法輪功のために声を上げ支えてくれた温かい心の持ち主の皆さん、どうもありがとうございました。

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