【活動報告】奥西勝さんへのご支援・ご協力をありがとうございました

2015年10月4日、奥西勝さんが八王子医療刑務所で永眠されました。1961年に起きた名張毒ぶどう酒事件で死刑判決を下された奥西勝さんは、一審で無罪になったのにもかかわらず、一転して有罪となり、死刑判決を受けてから46年収監されていました。

裁判では自白は強要されたものであると、自白を撤回して無罪を訴え、また唯一の物証写真に対する虚偽鑑定がなされるなど、これまで幾度も再審請求が棄却されてきました。

9月24日、署名を名古屋高検へ提出するアムネスティ日本 事務局長の若林

奥西さんの体調が悪化した今年6月から9月にかけて、アムネスティは、検察庁に対しあらためて奥西勝さんの再審請求を阻むことなく、速やかに再審を始めることを求めるため署名を集めました。オンライン署名や署名用紙、ハガキなど、さまざまな形で署名を集め、9月24日には事務局長が特別面会人の稲生昌三さんと名古屋高検へ3,267筆を提出しました。

しかし、奥西さんは最後までえん罪であると闘い続けましたが、生存中に再審が実現することはできませんでした。

5人が命を落とした名張毒ぶどう酒事件は、解決したわけではありません。奥西さんがえん罪を強く訴え続けたこの半世紀は、真相を明らかにしなかった警察・検察の不正義の歴史でもあります。

事件で命を落とした方のご遺族や、被害者、被害者のご家族にとっても、大変な重荷となったことでしょう。

当時、警察の捜査が適切に行われていれば、公正な裁判が行われていれば、また、死刑が確定してからも再審が開始されていれば、奥西さんをはじめ多くの人たちがこれほどまで長い間苦しむ必要はなかったのです。

妹の岡美代子さんが、代理人として再審請求を行うとのことで、弁護団も決意を新たにしていました。

奥西さんのお別れの会は、名古屋市にて後日行われる予定です。
奥西勝さん、どうぞ安らかにお眠りください。

署名やお手紙などでご協力いただきました多くの方に深くお礼申し上げます。
ご協力をありがとうございました。

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