2015年12月2日、メキシコ・ティファナの刑務所から、アドリアン・バスケス・ラグナスさんが無条件で釈放されました。

バスの運転手であるアドリアン・バスケスさんは2012年9月、運転中のところを州警察に逮捕されました。拘束中には拷問を受けました。脅され、殴られ、さらには鼻から水を入れられ、それが肺に入り危うく命を落とすところでした。

警察はメディアの前に彼をさらし、悪質な麻薬密売人だと非難しました。送検時には、盗難車でスピード違反をしていたので捕まえたら、自ら麻薬密売人だと白状したと主張しています。送検された直後、アドリアン・バスケスさんは意識を失い、病院で緊急手術を行いました。過酷な拷問が、その原因です。

連邦検察局は彼を薬物犯罪と銃器の不法所持で起訴しましたが、麻薬と銃につながる証拠は提示できませんでした。

アムネスティはアドリアン・バスケスさんの釈放を求めて、世界中でキャンペーンを展開しました。日本ではUA(緊急行動)でこの件に取り組みました。

そして12月、逮捕と拷問から3年以上も経ってようやく、州検事は彼を有罪とする証拠がまったくないという判断を下しました。アドリアン・バスケスさんは釈放後に「アムネスティのみなさん、本当にありがとうございました。みなさんが支えてくれたおかげですとても感謝しています」と語りました。

みなさん、どうもありがとうございました!

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