「感謝の言葉を何度繰り返しても足りない。みなさんからの手紙は僕と僕の家族を支えてくれた。僕たちのために世界中の人が闘ってくれている、一人じゃないんだと、勇気づけてくれた」

ジェリメ・コーレさん~世界中から励ましの手紙を受け取って~

ジェリメさんは、2012年、人違いで逮捕された上に、複数の警官から殴る蹴るの暴行や水責め、電気ショックを加えられ、やってもいない強盗と殺人の容疑を認めてしまいました。このウソの自白を基に、4年以上も刑務所生活を強いられていました。

アムネスティは国際的に取り組んでいる「#StopTorture 拷問なんて、いらない!」キャンペーンで、ジェリメさんの事件を取り上げ、彼が受けた拷問の徹底調査と加害者の処罰を求めて署名を集めました。この活動には世界中7万人を超える人が参加し、日本からも2,100筆以上の署名を当局に提出しました。

そして今年3月29日、2009年にフィリピンで制定された拷問禁止法に基づき、加害者の一人に2年1カ月の懲役と100,000ペソ(24万円相当)の罰金が言い渡されました。この法律によって有罪判決がだされるのは、ジェリメさんのケースが同国史上初めてです。

フィリピンでは、拷問撲滅に向けた法整備が進んでいます。しかし、依然として、拷問は広くまん延し、過去12年の被害件数は9倍にも上ります。8割が警官によるものでした。拷問が調査されることはめったにありません。報復や脅迫への恐れ、複雑な申立て手続きを理由に、被害を届け出ることすらできない人もいます。

こうした状況の中、今回の判決は、ジェリメさんでだけでなく、警察による拷問で苦しめられている多くの被害者にとって、正義への大きな一歩となりました!アムネスティの活動に参加してくださった皆様、ありがとうございました。

ジェリメさんの闘いはまだ終わっていません。検察は裁判所の判断に上訴することができます。アムネスティはジェリメさんを救うために、そしてフィリピンや世界で未だ行われている拷問をなくすために、引き続き取り組んでいきます。

ジェリメ・コーレさん

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