「今はいろんな感情が生まれてきています。とても嬉しいです。私をご支援くださったたくさんの方に、感謝の気持ちを伝えたいです。

権利のために闘うことは、どれほど素晴らしいことでしょうか。正義は必ず、実現するのです。

私と同じような目にあった女性たちが他にもいます。決して闘いを止めてはいけません。」
(イェセニア・アルメンタさん)

アムネスティ日本でもオンライン署名などで釈放を求めていた、メキシコの拷問被害者、イェセニア・アルメンタさんが、釈放されました。

イェセニア・アルメンタさんは、2012年、警察や軍による拷問がまん延するメキシコで殺人の容疑で逮捕されました。取調中、15時間に及ぶ暴行を加えられた上に強かんされた彼女は、「子どもを強かんして、殺してやる」と言われて、遂に罪を認めてしまいました。 検察は、拷問を訴える彼女の声に耳を傾けようとしませんでした。強いられた自白を基に 、イェセニアさんは、家族と引き離され、刑務所へ入れられてしまったのです。

アムネスティのキャンペーンがメキシコにもたらした一筋の光

アムネスティはイェセニアさんが受けた拷問の調査と彼女の釈放を求めて、署名活動を実施。日本からの2,100筆をあわせ、世界中から集まった20万筆の署名をメキシコ支部でまとめて、当局に提出しました。さらに、日本では、彼女のことを伝えるためのイベントを実施したり、写真や手紙を通してイェセニアさんに応援の気持ちを届ける活動も行いました。

フォトアクション集まった署名

こうした活動の結果、2016年6月、裁判所は遂にイェセニアさんの釈放を決定しました! 彼女は、今、息子との時間を大切に、元の生活へ戻ろうと日々を過ごしています。皆さま一人ひとりの行動が、イェセニアさんを励まし、政府を動かす大きな力となりました。活動に参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました! 

釈放され、家族と過ごすイェセニア・アルメンタさん(後列、左から4人目)釈放され、家族と過ごすイェセニア・アルメンタさん(後列、左から4人目)

メキシコでまん延する拷問

イェセニアさんのような事件は、メキシコで決して珍しいことではありません。メキシコでは、警察や軍が“成果”を上げるために、市民を不当に逮捕・拘束し、拷問によって自白や情報を引き出すという事例が数多く報告されています。2013年から2014年にかけて、連邦検察局が受けた拷問の申立ては2倍に増え、昨年3月にも、国連がメキシコで拷問がいかに横行しているかを詳述した報告書を発表しています。

メキシコでは、こうした性暴力や拷問を受けた被害者女性が、勇気をだして「沈黙を破る 」運動を立ち上げました。イェセニアさんもその一人で、これ以上同じような被害者をださないために、闘うと言います。アムネスティは、今後もイェセニアさんとともに、拷問撲滅に向けた活動を続けます。

ヒューマンライツ・サポーターになりませんか?