11月25日、新潟でLGBT学習会「LGBTについて学びませんか?~多様な生き方の共存をめざして~」を開催しました。今回の学習会は、現在アムネスティが行っているキャンペーン、「Love Byond Genders」の一環として、新潟グループが企画した学習会です。

当日は雨でしたが、20名の参加がありました。「にいがたLove 1 Peace」の共同代表の高橋佳生さん、綾香さんのお二人に講演していただきました。

高橋佳生さんはLGBTの社会的認知と社会的理解を推進するために、「にいがた Love 1 Peace」を設立しました。特に新潟などの地方ではLGBTの人たちは生活しづらいのが実情です。「にいがたLove 1 Peace」はそうした実情を広く社会に発信することで、LGBTの人たちへの理解を広げるため活動しています。そして、行政への働きかけを通して、暮らしやすい社会を実現するよう取り組んでいます。

LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった言葉で、性的マイノリティの人びとを総称した言い方ですが、当然のことながら、一人ひとりが置かれている状況は異なります。例えば、幼少期から自分の性に違和感を持っている人もいれば、大人になってから気づくような人もいるなど、人によってさまざまです。

また、電通ダイバーシティ・ラボの2015年の調査では日本人の7.6%がLGBTであるという調査結果もあります。LGBTの人が見えにくいのは、いないからでなく、打ち明けられない人がいるということを想定しなければなりません。つまり、社会の間違った認識のために傷つき、打ち明けられずにこもっている人もおり、ひどい場合にはリストカットや自死を望むほど悩むような人もいることを、私たちは考えなければなりません。

お話を聞いていて、同じ人として接することの大切さ、そして良き理解者になることが大切であると感じました。そのために、いっそうLGBTの人びとの社会的理解をすすめる活動を、アムネスティ新潟グループでもこころがけ、人権侵害をなくす働きかけを進めたいと思います。

綾香さんからは同性パートナーの場合の、制度面で不都合な点を具体的な例をもとにお話をしていただきました。同性パートナーは法的には赤の他人であり、同性パートナーに相続権がない、子どもの協同親権が持てない、公営住宅に家族として入れない、など色々と不都合なことがあるそうです。そこで、さまざまな自治体で取り入れているパートナーシップ制度を新潟でも導入するよう、働きかけをしているとのことです。

お話の中で心に残ったのが、親へのカミングアウトです。身内であるがゆえに、我が子を受け入れることができない親の姿、また、その姿にふれ、本人もショックを受けるというお話を聞いて私も心が痛みました。私たちにできることは何か。「ALLY(アライ:LGBTのよき理解者)」として共感することがまず一歩であると思いました。

講演後は質疑の時間を設けました。たくさんの質問があり、このテーマへの関心の高さが伺えました。

LGBTについては私を含め、社会的理解が進むことが大切です。そのことによってLGBTにかかわるさまざまな問題が解消されることを学んだ学習会でした。

報告者 後藤直(アムネスティ日本 新潟グループ)

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実施日 2017年11月25日(土)
場所 新潟市総合福祉会館
主催 アムネスティ日本 新潟グループ

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