死産が「殺人」であるとされて30年の刑を受けたテオドラ・デル・カルメン・バスケスさんが減刑されて、2月に釈放されました。

彼女は仕事中に腹部に激しい痛みを感じ、病院に連れて行ってもらうように救急サービスを頼みました。車を待っている間に痛みがひどくなり、耐えきれなくなって倒れ、破水し、そのまま気を失ってしまいます。意識不明の状態で子どもが生まれましたが、死産でした。

同僚が警察に電話をし、やってきた警察はその場でテオドラさんを逮捕しました。激しく出血しているテオドラさんに手錠をかけてから、やっと病院に連れて行きました。その後、彼女は加重殺人の罪で有罪となり、30年の刑を言い渡されました。子どもを失ったテオドラさんは、投獄という苦しみをさらに与えられたのです。

厳格な中絶禁止法を持つエルサルバドルでは、妊娠中絶はどんな場合でも犯罪です。たとえ強かんや近親相かんによる妊娠であっても、母体に危険がある場合でも、許されません。流産や死産は、まず中絶を疑われます。

アムネスティは、女性の権利、性と生殖の権利を踏みにじるものだと、中絶を犯罪とすることに反対しています。エルサルバドルに対しても、中絶禁止法を廃止するよう求めてきました。そして、妊娠中絶手術を受けたり、流産や死産によって投獄された人たちの釈放を訴えています。

テオドラさんのケースも、2015年のライティングマラソンで取り上げました。2017年12月、再審理が行われることになった時には、釈放を求めるアクションを再び展開しました。

再審理では残念ながら最初の判決が支持されましたが、2018年2月15日、嬉しいニュースが飛び込んできました。裁判所が減刑を決定し、テオドラさんを釈放したのです。

エルサルバドルでは中絶禁止法によって獄中にいる女性が、まだ27人います。アムネスティはこれからも、彼女たちの釈放と、中絶禁止法の廃止をエルサルバドル政府に訴え続けていきます。

家族との再会を喜ぶテオドラさん家族との再会を喜ぶテオドラさん © AFP/Getty Images

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