2019年5月18日(土)、上智大学の難民支援サークルと共催で、特別講座「仲間と一緒に難民について英語で学ぼう!」を開催しました。

当日は、上智大学の学生だけでなく、他大学の学生や社会人、難民申請者など、約80名が参加し、難民問題についてケーススタディなどを通じ、英語で意見を交換しました。

ワークショップでは、会話がしやすいように参加者を11のグループに分け、以下の5つのセクションに分かれてディスカッションを行いました。

1.アムネスティの紹介、世界中の難民状況を知る

まず、アムネスティ日本の職員から、難民の状況の説明がありました。国連によると、紛争や差別、貧困などで国を逃れざるを得ない難民の多くは、隣国に避難するため、開発途上国に集中しているのが現状であり、その数は全体の難民の80%に及びます。また、アメリカ、イギリス、フランスといったいわゆる先進国での受け入れ数は極端に少なく、日本もその1つに含まれます。

アムネスティ日本 キャンペーン・コーディネータ:シムカート ビョルンアムネスティ日本 キャンペーン・コーディネータ:シムカート ビョルン

2.日本の難民政策を知る、難民に対する理解を深める

続いて、アムネスティ日本の難民担当職員から、難民条約における難民の定義や権利について学びました。

  1. principle of non-refoulment(ノン・ルフールマンの原則):難民が迫害の恐れのある国に送還されない難民の権利
  2. non-penalization:処罰をしない。非合法な方法で亡命国に入国したからといって、難民を処罰するべきではない

その他、「なぜ日本では難民の受け入れが難しいの?」「どうすればもっと日本は難民を受け入れられる?」などについても話がありました。

アムネスティ日本 キャンペーン・コーディネータ:樋口 利紀アムネスティ日本 キャンペーン・コーディネータ:樋口 利紀

3.日本にいる難民の話

2人の難民認定申請中の方が、日本での難民支援について語ってくださいました。

4.難民のために直接支援できること

上智大学の難民支援サークルは、難民(庇護希望者)と市民を繋ぐカフェを月に1回開催、また、品川の入国管理局に週3回面会に行き、日用品などの差し入れをしています。難民のために日本語の支援もしていて、月に1回のレッスンをしています。

このセクションでは、上智大学の難民支援サークルのメンバーから、難民を保護する条約や歴史などを学び、深刻化する難民問題について国際的な枠組みで話を進める必要があること、また、私たち個人も難民問題についてのニュースや記事に敏感になり関心を高める必要があること、などを語っていただきました。

上智大学の難民支援サークルのメンバー上智大学の難民支援サークルのメンバー

5.グループディスカッション

最後のセクションでは、「難民に対する理解を増やすこと」と「難民の人権を守ること」を念頭に、グループディスカッションを行いました。私たちが難民の人のために、個人・日本・グローバルとして何が出来るかをディスカッションし、チームごとに紙に書き出し、発表しました。

グループディスカッションの様子

グループディスカッションの様子

今回、上智大学の難民支援サークルが進行役を担い、学生が積極的に発言、質問するなど、より活発な議論をすることができました。

今後も、こうしたワークショップを他の大学でも開催し、学生に難民問題についての知識を深める機会を作っていきたいと思います。

(報告者:アムネスティ日本 企画運営ボランティアのメンバー)

6/21開催!英語で人権について学ぼう!アムネスティの英会話カフェ!テーマは「人権調査の最前線」

仲間を作り、英語を学びたい!
人権についてもっと知りたい!
という方向けに、アムネスティ日本初の英会話カフェを開催します!

実施日 2019年5月18日(土)
場所 上智大学四谷キャンパス
主催 上智大学難民支援グループ
アムネスティ・インターナショナル日本

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