2019年8月19日(木)、アムネスティ東京事務所に於いてユース交流会「世界の人権問題を知って、考えて、行動しよう!」を開催しました。その概要を主催者であるアムネスティ日本ユースネットワークのメンバーが報告します。

この企画は、

より多くのユース世代が

  • 人権問題の所在、及び問題への応答の在り方に関心を抱く
  • 人権問題への関心を実践に移す一つの場としてのアムネスティ日本ユースネットワークについて知る

という目標を可能にする場として開催されました。学生を中心に様々な背景や関心を持つ方々が参加してくだり、充実した時間を過ごすことが出来ました。以下、交流会の具体的反省です。

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1.アムネスティ日本ユースネットワークについて知る

ユースネットワークを知ってもらうという目標のために、そもそも「アムネスティ日本ユースネットワークとは如何なる団体か」明確にしなければなりません。そこでまずアムネスティは何を目的に設立され、その目的のもとユースネットワークが何をして来たのか説明しました。世界人権宣言の意義や、その実現が如何に可能か、ユース世代がその実現のために何をしうるか、が再確認されたことと思います。

加えこれからを展望することも必要です。上記に続き開催されたワークショップの後、交流会を締めくくるにあたり、「アムネスティの活動に参加した場合何をしたいか」を参加者と共に問いました。また「何をしたいか」明らかにするために「自分がどのような事柄に嫌悪を抱き、何を問題とし何に関心を抱いて来たか」問う必要があります。そこでこの問いも問い直すことにしました。

各々の思いが交差し、子供の権利や難民問題などについて意見が述べられました。結果、人権のこれからを豊かにかつ精緻に見果たし、人権問題とより真摯に向き合う端緒を開くことが出来たと思われます。

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2.人権問題について考え、行動のあり方を問う

先に述べた目標達成のためには、ユースネットワークとその営みを知ってもらうと同時に、その営みで問われている事柄についても思考を深める必要があります。一言で言えばそれは「世界の人権問題」です。では具体的にどのような問題が生じているのか、今回は参加者とともに2つのワークショップを通じこの「人権問題」の所在に関して議論を行いました。

1つめのワークショップではイラストを用い、そこでどのような「人権問題」が問われているのか検討しました。イラストは描かれている問題がいかに生じたか示すことが出来ません。世界人権宣言や自身の経験を参照することで、どのように問題が生じたのか以上に、何故その場面では「人権問題」と呼ばれる問題が発生していると判断できるのか、といったことについて考えを巡らせました。

2つめのワークショップでは、国内外を問わず「差別的だ」として問題化した日本の映像広告を用い、何が問題となっているのか、その問題解決のために何が必要か検討しました。「差別」について適切に言語化するのは容易ではありません。「差別」はいかなる場面で「差別」となるのか、「差別」はどこに生じるのか、そもそも「差別」を論じる視点に立つとはどういうことなのか、ということを吟味し、「差別」や「人間の尊厳」を問い直すことの困難を痛切に意識しました。

最後に、参加者からは「自分と同様の関心を持つ人々と交流できよかった」、「『差別』という視点から意見を聞き、新たな問題意識が生まれた」、「ユースの力が必要だと実感した」といった肯定的な意見が寄せられました。他にも「ユースメンバーにもっと参加してほしかった」、「ユースメンバーからのフィードバックがあるとよかった」、「必要最低限な準備をすべき」といった参照すべき批判的な意見も寄せられました。

これらの声に耳を傾け力にし、今回問われた問いを見直し続けながら、より一層、「人権問題」について考え続け、知識を実践に移してゆく必要性をますます感じております。加えこの交流会がユース世代の方々が「世界の人権問題」について学び、考える端緒となっていれば幸いです。参加者の皆様、本当にありがとうございました。これからも、よろしくお願いします。

(文責:加藤)

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実施日 2019年8月19日(木)
場所 アムネスティ日本 東京事務所
主催 アムネスティ日本 ユースネットワーク

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