自然と暮らす先住民族アニシナベの子どもたち自然と暮らす先住民族アニシナベの子どもたち ©Allan Lissner

「カナダ政府と担当大臣はこの契約で私たちに立派な約束をしてくれました。約束通りケアハウスが建設され、水銀中毒で苦しむ人びとがケアを受けられるように見守っていきます」(グラッシーナロウズのルディ・タートル族長)

 

2020年4月2日はカナダのオンタリオ州にある製紙工場から川に排出された水銀による深刻な被害を50年以上にわたって受けてきた、下流のグラッシーナロウズ保留地に暮らす先住民族アニシナベの人たちにとって、歴史的な一日となりました。水銀中毒で苦しむ人のためのケアハウス建設のためにカナダ政府が契約書に署名したのです。

果たされなかった約束

カナダ政府は2017年、汚染の除去、特別な医療制度の設計や地域コミュニティへの補償などの救済を約束しましたが、それ以降何の進展もなく、約束は果たされていませんでした。

水銀中毒による健康被害に加え、生活の糧であり文化・伝統の象徴であった魚が採れなくなったことで、生活様式は危機にさらされました。また小さいころから汚染された環境で育ってきた若者たちへの影響は計り知れません。

アムネスティの取り組み

若者たちを中心としたグラッシーナロウズの人びとは政府が約束を確実に実行することを求めて闘ってきました。

アムネスティ・インターナショナルはグラッシーナロウズの人びとと連帯し、世界中から集まった40万筆以上の署名をカナダ政府に提出。日本からも2,146筆の署名を届けました。提出の際には、カナダ首相官邸から「懸念を首相に共有してくださったことを感謝いたします。いただいたご意見は必ず慎重に検討いたします。」とのメッセージをいただきました。

あなたの声がカナダ政府を動かし、この大きな第一歩となったのです。皆さまの温かいご協力をどうもありがとうございました!

日本から2146筆の署名を届けました