武器貿易条約 - 知りたい!武器貿易条約(ATT) Q&A

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知りたい!武器貿易条約(ATT)Q&A「武器貿易条約って、いったい何?」
「どうして、この条約が必要なの?」

武器貿易条約(ATT)に関する、
みなさんのギモンにお答えします。
 

Q1. 武器貿易条約(ATT)とは何ですか?

武器貿易条約(Arms Trade Treaty)は、武器の移譲を規制する条約構想のことで、実はまだ締結されていません。2013年3月18日~28日まで9日間にわたり、条約締結に向け、国連で最終会議が行われます。

この条約は、国際的な武器の取引を規制する、共通の基準と規則を作りだすことを目的としています。
 

Q2. そもそも、なぜ条約が必要なのでしょうか?

現在、国際的な武器の取引を規制する基準を定めた条約がありません。実は、「武器」よりも「バナナ」の方が、貿易規制が多いのが現状です。

世界には多くの法律や規制があり、また多くの抜け穴もあります。共通の基準と規則を作り、それをもとに各国が武器を管理する制度を根本的に見直し、相互に協力して武器取引を厳格に規制することをめざす武器取引条約が、不可欠なのです。
 

Q3. 国際的な武器の取引はどうなっていますか?

武器の国際取引は2012年だけで推定1千兆ドル、数年前の年間8百兆ドルから急速に拡大しています。

さらに軍事と建設関係を含めると、その規模は1千2百兆ドルに達する見込みです。
その取引は、命を奪い、傷つけるために製造される、きわめて危険な商品、死をもたらす商品の取引なのです。
 

Q4. 武器によって、毎年どのくらいの人びとが亡くなっていますか?

毎年、およそ50万人の命が、銃火器によって奪われています。戦場だけではなく、政府の弾圧や犯罪集団により殺害されています。

さらに野放図に流入する武器が紛争を激化させ、医療や水、食料の不足が生じ、世界で数百万人が死亡しています。たとえばコンゴ民主共和国では、1998年以来、武力紛争の間接的な影響で500万人以上が死亡したと推定されています。

もちろん、それは死者だけの問題ではありません。さらに多くの人びとが負傷し、拷問を受け、虐待され、強制失踪させられ、人質に取られています。恐るべき規模で、人びとの生命と生活のすべてを奪うのです。
 

Q5. どのような人びとが、無規制の武器で影響を受けていますか?

最大の被害者は女性です。その被害はしばしば目にふれることもなく、また語られることもありません。

たとえばギニアでは、ある女性が兵士から頭に銃を突きつけられて他の兵士に強かんされました。このような暴力はしばしば起きています。子どもたちが軍や武装勢力に徴兵され、戦闘に狩り出されている国もあります。
 

Q6. どのようにして政府に条約を守らせるのですか?

今できることは、各国を説得して、年次で報告する体制を築くことです。各国首脳間で頻繁に会合を開き、それぞれが責任ある行動を取っているかを相互に圧力をかけて確認し合うようにすることです。

もし、各国が条約違反で互いを非難するなら、調停と仲介が必要となります。事態を国際司法裁判所に付託することもあるでしょう。

最終的に必要なのは、調査を実施する機関です。小型武器と弾薬を始めとして、大量の武器の行方がわからないのです。
 

Q7. 2012年7月、条約締結へ向けて大きな会議が開かれました。なぜ結論に至らなかったのですか?

合意に至らなかった理由は、会議が国連の満場一致原則をとったからです。一国でも強く反対すれば条約は成立しないのです。

会議の最終日、米国は文案に用語上の問題があると発言しました。次いでロシアが、さらに中国、そして武器取引条約に反対する少数の国々が同調しました。これらの国ぐにが、討議の手続きを妨害し、会議は時間切れとなりました。

そこで、私たちは、各国に交渉再開のための新たな会議を開催するよう働きかけました。その結果、文案をまとめ合意に持ち込むための会議が、3月に国連で開かれるのです。

この条約は完全なものではありません。国家間の武器移転を対象にするだけで、国内の武器販売を規制するものではありません。もちろん銃の不正使用を解決するものでもありません。しかし、これは第一歩なのです。歴史的な出来事であり、すべての人びとの安全と治安を妨げる法の不備を埋めるのです。

武器移転とは、兵器や弾薬を一国から他の国へと移動することです。しかし、中国はその移動の対象に「贈与」を、米国は弾薬を、除外することを求めています。
 

Q8. 3月の国連会議はどのような会議となるでしょうか?

3月18日から28日まで9日間にわたり議論されます。参加国は、提案された条約文案を詳細に検討します。最終案に大きな反対がなければ採択されるでしょう。もし採択されなければ、国連総会における投票に委ねられます。

会議閉幕までか、閉幕後まもなく、武器取引条約が成立するはずです。これは大きな歴史的前進となるでしょう。参加国は条約を批准し、国内法として適用することになります。

条約が十分な効力を持つかどうかは、政治的意志にかかっています。そして、その政治的意思を生み出すためには、世界中の市民に何ができるかにかかっているのです。

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