日本:アムネスティ事務総長、日本軍性奴隷制のサバイバーに対する正義の要求を支持

  1. ホーム
  2. ニュースリリース
  3. 国際事務局発表ニュース
  4. 日本:アムネスティ事務総長、日本軍性奴隷制のサバイバーに対する正義の要求を支持
2011年12月15日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:日本
トピック:
1992年1月8日水曜日、日本軍の性奴隷制を生き延びた大韓民国の女性たちとその支持者が、韓国のソウルにある日本大使館の前に集い、デモを行なった。数十年に渡る沈黙の後、彼女たちは正義を求め、公の場に集まった。

その日以来、彼女たちは毎週水曜日に日本大使館の前に集まり、正義を要求してきた。韓国挺身隊問題対策協議会(注)が毎週開催してきた、この「水曜デモ」は、12月14日に1000回を迎えた。

アムネスティ・インターナショナルは、これらのデモもいくつかに参加し、活動に加わってきたことを、誇りに思っている。

「彼女たちの決意は、私たちを鼓舞してきました。彼女たちの正義の要求は強く明確です。今必要なことは、日本政府が全面的に謝罪し、彼女たちが受けた苦痛を認識することです。彼女たちが正義の実現をいまだ待ち続けていることに、愕然とします」とアムネスティのサリル・シェティ事務総長は述べた。

1932年頃から第二次世界大戦終結まで、旧日本軍によってアジア太平洋地域の至るところで女性たちが性奴隷とされた。サバイバーたちは50年以上もの間、自らの苦難を語らなかった。引き続き正義が否定されていることによって、サバイバーの屈辱と苦しみが続いている。アムネスティは、これは重大な人権侵害である、と考えている。

「彼女たちは60年以上前に最もひどい暴力を受けました。彼女たちは、年老い、人生の終りを迎えても一貫して正義を要求しています。彼女たちの中で他界してしまう人がこれ以上増える前に、日本はこの勇敢な女性たちに対する義務を果たす必要があります」と、シェティ事務総長は述べている。

1910年から1945年までの日本による朝鮮半島の植民地支配の間に、性奴隷として動員された韓国女性への賠償を日本政府が拒否している問題に関して、韓国憲法裁判所は8月30日、韓国政府がこの問題を解決する具体的な努力を怠っていることは違憲であるとする判断を、6対3で下した。

韓国憲法裁判所は、韓国政府は行動を起こさないことによって元「従軍慰安婦」の基本的な権利を侵害している、と述べた。これまでのところ、日本政府はこの問題に関して韓国側の担当者と会うことを拒否している。 

アムネスティは、韓国政府に対し、引き続きこの問題に関して日本当局を追及し、それでも日本が会合を開き、この問題を議論することを拒むなら、この問題を別の国際フォーラムに提起するよう要求する。

また、アムネスティは、以下の事柄を要求する

・日本の国会は、サバイバーに対して明確かつ全面的に謝罪すること。これには、「慰安婦」問題に関する法的責任を認めること、「慰安婦」制度が国際法上の犯罪であることを認めること、そして、サバイバーの大多数に受け入れられる方法で、彼女らが受けた苦痛を認めることも含む。

・日本政府および国会は、サバイバーが全面的な賠償を得るに際して、日本の法廷における障害を取り除くために国内法の見直しを行うこと。そして、日本の教科書に性奴隷制についての正確な記述を盛り込むこと。

・日本政府は、性奴隷制のすべてのサバイバーに全面的な賠償を行うために、実効性のある行政のしくみをただちに採用すること。

(注)日本軍の慰安婦問題を解決するために結成された韓国の団体

アムネスティ・インターナショナル公式声明
2011年12月14日