コロンビア:武装勢力との交渉で人権侵害の責任追及を

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2016年4月 6日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:コロンビア
トピック:

3月30日、政府は、民族解放軍(ELN)と和平交渉に入るという発表があった。半世紀にわたる武力衝突の最中に起こったさまざまな人権侵害の捜査と処罰など、犠牲者に対する正義を、この交渉の中心テーマにおくべきだ。

政府と、コロンビアで第2の規模のゲリラグループELNは、エクアドルなどでの和平交渉を間もなく開始する、と発表した。

最大のゲリラグループ、コロンビア革命軍(FARC)は、3年以上にわたる交渉の末、数カ月以内に政府との和平合意文書に署名するものと期待されている。

ELNと政府間の交渉の進展により、FARCとの和平協定と相まって、半世紀以上にわたる紛争が、ようやく終焉に向かうとの希望が見えてきた。

しかしながら、当局は、この紛争の中で国際法違反の犯罪を犯した容疑者を、裁判で裁くことを忘れてはならない。

半世紀の紛争の歴史は、国際法違反の殺害、強制失踪、拷問、強制退去、性暴力など、組織的な人権侵害が至るところで行われてきた。

これらの犯罪は、治安部隊の単独または準軍事組織との共謀によるもの、およびゲリラグループによるものだった。

先住民族とアフリカ系の小作農、人権擁護活動家、地域運動の指導者、労働組合員らは、特に危険にさらされてきた。

真実、正義、国際法および国際基準にそった補償を受ける犠牲者の権利が、充分に尊重されなければ、永続的で実効性のある平和は期待できない。

正義に関して、これまでのFARCとの合意は、この目標には程遠いと言えるだろう。

最近、同国では、人権擁護活動家に対する脅迫や殺害が、急増している。

先住民族とアフリカ系の小作農への襲撃も依然続いているが、そのほとんどが準軍事組織によるものだった。

最近、活動家などに対する襲撃が増えていることは、和平交渉をよそに人権危機は依然続いている、という重大な警告である。

コロンビア当局は、危険にさらされる組織や個人、地域住民を保護するために、さらに取り組みを強化すべきだ。例えば、準軍事組織撲滅に有効な手立てを打つこと、また、治安部隊との結びつきを断ち切ることなどである。

アムネスティ国際ニュース
2016年3月30日

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