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米国:3州での住民投票 死刑を支持

2016年11月22日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:米国
トピック:死刑廃止

11月8日の全米の選挙では、大統領選と議会選挙以外に、いくつかの議案が州の住民投票にかけられた。カリフォルニア、ネブラスカ、オクラホマの3州では、死刑に関わる4件の住民投票の議案が出されていたがそのすべてで、死刑支持票が多数を占めた。

こうした結果は残念であり、恣意性、差別、誤審がつきまとうにもかかわらず、一般の支持を得る傾向にあるこの刑罰がなぜいけないのか、しっかりした人権原則で説く指導力の必要性を示している。とはいえ、米国における長期的傾向は、死刑廃止の方向に向かっている。

カリフォルニアで提案された州法改正案62号は、死刑の廃止と死刑に代わる最高刑として仮釈放のない終身刑の導入を求めるものだった。結果は53.8パーセント対46.2パーセントで否決された。カリフォルニア州の死刑囚の人数は、全米最多の約750人だ。

同州で最後に死刑執行が行われたのは、ほぼ11年前の2006年11月である。2つ目の州法改正案66号は検察側が提起したもので、死刑制度を改革し判決から執行までの時間を短縮しようというものだった。これは50.9パーセント対49.1パーセントで採択された。この法案については、無効だとする異議申し立てが、すでに州最高裁判所に提出されている。

ネブラスカでは2015年に州議会が死刑廃止を決議し、州知事の拒否権を覆した。しかしこの問題を住民投票にかけようという運動により、死刑廃止は保留になっていた。11月8日に州の有権者は、住民投票426号を支持して61パーセント対39パーセントで死刑存続を選んだ。他の州と同様にネブラスカでも死刑執行用の注射薬物の入手が困難になっている。同州の死刑囚は現在10人いる。

一方オクラホマの有権者は州議案776号に賛成した。この議案は、国の憲法が禁止していない方法であればどんな執行方法をも認め、州の裁判所が死刑を「残虐」「普通ではない」という判決を出すことを阻止するために州の憲法を改正するというものである。議案776号は66パーセント対34パーセントで可決された。

こうした結果は廃止派からみれば残念だが、米国の死刑をめぐる状況は大きく変わらない。死刑は減少しつつある。解決できない問題を無理に解決しようという努力は失敗に終わる運命にある。何ものもこの刑罰を人間の尊厳や人権の原則と両立させることはできない。

2007年に死刑を廃止した5州を含め、現在18州が死刑を廃止している。存置している32州のなかで、9州(アーカンソー、カリフォルニア、コロラド、カンザス、ネブラスカ、ニューハンプシャー、オレゴン、ペンシルバニア、ワイオミング)は少なくとも10年間、死刑を執行していない。

2016年の米国全体の執行数は、過去25年間で最少となる予定だ。数少ない州が多数の死刑囚を抱えている。2016年のこれまでの執行は5つの州で17件、この17件のうち14件(82パーセント)がジョージア州とテキサス州であり、それぞれ7件である。テキサスでの2016年の執行数は過去20年間で最小数になる見込みだ。死刑囚の数も約30年間で最小である。

死刑をとりまく政治風土もその欠陥に関する一般の認知が高まるにしたがって変わっていることは、今回の選挙でも示されているようだ。かつては死刑を断固支持することが高官の必須要件となっていたが、いまやそうとは言えない地域が多い。

カンザスでは11月8日の裁判官選挙で、死刑支持派が州最高裁判事4人の罷免を求める提案を出した。この4人が何件もの死刑判決を覆していたことへの反発である(その後、今年初め、連邦最高裁は判決を復活させたが)。この運動は不成功に終わり、州の有権者は4人の判事すべての在任に票を投じた。

アムネスティは、今後も米国ほか全世界の死刑を存置している国々で廃止の努力を続けてゆく。

アムネスティ国際ニュース
2016年11月15日

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