サウジアラビア:今年の死刑執行数が100人に

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2017年10月 9日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:サウジアラビア
トピック:死刑廃止

サウジアラビアで10月2日に1人の死刑囚が執行され、今年に入ってからの執行総数が100人に達した。この3カ月だけで60人も執行されている。

同国が改革に真剣に取り組むつもりならば、死刑の完全撤廃に向けて、まず執行の停止を実施すべきだ。

死刑囚が犯した罪の4割が、薬物関連である。国際人権法では「死刑は最も重大な犯罪にのみ科すことができる」と規定されているが、薬物犯罪は「最も重大な犯罪」には当たらない。

不公正な裁判

死刑判決が下される裁判には、しばしば重大な問題があり、公正な裁判に関する国際基準には程遠い。拷問や虐待で得られた「自白」だけで有罪を下すことも少なくなく、非公開の裁判では弁護人を認めていない。

手段としての死刑

人権に冷淡なサウジアラビアでは、異論を封じ、少数派を抑えこむ手段として死刑が利用されてきた。当局は、これまでの死刑判決をすべて取り消すとともに、すべての裁判を公正な裁判に関する国際基準に沿ったものにし、その際には死刑判決を排除すべきである。

現在、同国で少数派であるシーア派の33人以上が、いつ執行されてもおかしくない状況にある。彼らは、「国の治安を脅かした」とみなされている。18才未満の時に犯した罪で死刑になった人もいる。拷問で自供を強要させられたという人もいる。彼ら全員が、今日、明日にも執行されるかもしれない。

抗議活動で7月に死刑を宣告された14人のシーア派男性の家族は、いつ執行したという知らせが来るのか、怯える毎日だという。

サウジアラビアは、死刑執行が最も多い国の一つで、昨年までの30年あまりで2000人以上を処刑している。

アムネスティ国際ニュース
2017年10月2日

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