2014年5月、中国の最高人民法院は、家庭内暴力に耐えかねて夫を殺害した李彦(Li Yan)さんに対する死刑判決を差し戻す決定を下しました。

李彦さんは、2009年に結婚してから、日常的に夫の暴力を受け続けていました。火のついた煙草を顔に押しつけられたり、手指を1本切り落とされるなど、エスカレートする夫の暴力。それらに耐えかねた李彦さんは、2010年、夫を銃で撲殺、2011年8月に死刑判決を言い渡されました。

彼女の死刑執行の可能性が高まる中、中国国内の女性権利擁護団体や法律家、海外のNGOは、当局に対し減刑を要求。アムネスティも世界的に署名活動を行い、日本だけで2,600筆を超える署名が集まりました。

▽アムネスティが行ったアクション
中国:死刑の危機にある、DV被害者の女性、李彦(Li Yan)さんを救え

李彦さんは、死刑判決を受けた後、四川省高級人民法院に控訴しましたが、受けた虐待の証言や目撃者らの証言は顧みられず、死刑判決は覆りませんでした。2013年には、北京の最高人民法院へ上告をしますが、これも却下されました。

今回のように、最高人民法院の決定が覆されることは非常にまれなことです。国内外から多くの注目を受けて、このような画期的な判断がなされたと考えられます。

この署名にご参加いただいた皆さま、また、SNSなどで情報を広めてくださった多くの皆さまに深く感謝いたします。ありがとうございました。

▽アムネスティの活動をご支援ください
https://www.amnesty.or.jp/get-involved/donation/

アムネスティが取り組んでいる人権擁護の活動は、すぐに結果が見えるものではありません。今回のように、ひとりの人を救うために、何年にもわたって活動を続けることもあります。未来をつなぐ活動に、ぜひ、ご協力ください。

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