2015年10月、八王子医療刑務所で永眠された、奥西勝さん。1961年に起きた「名張毒ぶどう酒事件」で死刑判決を下された奥西勝さんは、一審で無罪になったにもかかわらず、一転して有罪となり、死刑判決を受けてから46年間、収監されていました。

その奥西勝さんを偲ぶ会が、4月9日、名古屋市内で行われました。アムネスティからも呼びかけ人として、事務局長の若林秀樹が参加しました。

遺族を代表してご挨拶された妹の岡美代子さん

事件発生から55年。「名張毒ぶどう酒事件」は物証に乏しく、奥西さんは第一審で無罪になりながら、その後、逆転死刑判決になりました。さらに第7次再審請求では、再審開始決定を勝ち取りながら、その後取り消しになり、昨年10月4日、無念にも八王子医療刑務所で獄死されました。現在は、妹の岡美代子さんが第10次再審請求申し立てを行っています。

奥西さんに届けられることのなかったメッセージ

hrc_okunishi_201604_01.jpg失効した免許証など遺留品の数々

hrc_okunishi_201604_02.jpgアムネスティから届いた励ましのカード類

hrc_okunishi_201604_03.jpg200とは奥西さんに付けられた番号でしょうか

会場には、数多くの遺留品が展示され、加えて世界中のアムネスティのメンバーから送られた手紙やハガキなどが飾ってありました。

しかし日本では、死刑確定後、本人にはそうした外部から届けものは一切渡されない決まりとなっており、残念ながら奥西さんご本人には届いていなかったようです。

カードの表に「施設保管(釈放時交付書信)」という紙が貼ってあり、励ましのカードでありながら本人に渡されないのは、非人道的な扱いであるとしか言いようがありません。

アムネスティは長年、奥西勝さんを「危機にある個人」として支援してきました。この事件を教訓に、さまざまな刑事司法制度の改革、人間の生きる権利を守る「死刑廃止運動」に、引き続き取り組んでいきます。

開催日 2016年4月9日(土)
場所 名古屋市内

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