2018年11月11日(日)、講師に田中喜美子さん(牛久の会代表)をお招きして、講演会「牛久・東日本入管センターへの面会行動から見るこの国の『外国人政策』」を開催しました。参加者は約40名でした。主催したアムネスティ日本 水戸グループが報告します。

「入管収容」は、そもそも難民問題であり人権問題です。難民・庇護希望者および移住者の権利を如何に守るのか、「東日本入国管理センター」のある茨城・牛久から、その実態を多くの人に伝えなければならないと、今回の講演会を企画しました。

講師:田中喜美子さん(牛久の会代表)のお話

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牛久の会は、1993年に東日本入国管理センター(牛久入管)の開所に伴い、1995年から面会行動を開始しました。面会日は毎週水曜日、会の年次活動報告会は12月です。

講演会では、面会行動を続けて知る「収容の実態」として、具体例が報告されました。

  • 長期収容によるストレスと実態
    強制退去への不安、365日・24時間、監視・管理される、など
  • 医療問題
    睡眠導入剤、抗うつ剤、痛み止めの多用、専門外治療、不適切処置が多発 など
  • 仮放免(収容所を出る一時的な手段)
    ○現在仮放免の許可が降りず、長期収容者が激増、被収容者達のストレス、不満が高まっている。自殺、自殺未遂自傷行為の多発、ハンスト等の抗議行動も。
    ○帰国への強要圧力が激しくなっている。
    ○無理矢理の退去強制が増えている、退去強制通知書を見せられ、やむなく自主帰国の人も、等々

牛久入管においては2010年に日系ブラジル人と韓国人2名が自殺、2014年にはイラン人とカメルーン人が相次いで病死、2017年にはベトナム人が病死、そして今年4月13日にはインド人難民申請者が自殺と、収容定員が700名の施設において異常な事態が生じています。収容のあり方に重大な問題があると思いました。

一方で、入管局が法務省外局の「入管在留管理庁」に格上げされます(2019年4月実施予定)。加えて、現国会で入管法が論議され、外国人労働者50万人導入政策が検討されています。しかし、労働者の導入政策には難民保護の観点は無く、外国人の在留管理がますます強化されるだろうと予想されます。

田中さんは、多くの方々が関心を持つこと、外国人に対する治外法権的強権支配を見過ごさない事が求められていると、話されました。

被収容者が書いた絵被収容者が書いた絵

参加者の声

牛久入管での諸々のニュースや今政府の新たな政策にかかわる問題でもあり、関心を持って参加させていただきました。お話を伺って、今まで以上に現収容者ばかりでなく、国内で就労している外国人が如何に不安定な状況に置かれているかをよく知ることができました。

人権感覚の遅ればかりでなく、私たち日本人みんなが「人権教育」を受けて来てなかったことを痛感させられました。私自身がその一人であって、自分の中の差別意識、優越感、民族意識などを振り返ってショックを受けました。

さいごに

当日取材に来られたOur Planet-TV社が、本講演会の記事と映像を掲載してくださいました。一人でも多くの人に実態を知っていただき、この問題を考えてもらえればと思っています。ぜひ、ご覧ください。

▽動画を見る
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2328

実施日 2018年11月11日(日)
場所 あむねすみと2F ハングルアカデミー
主催 アムネスティ・インターナショナル日本 水戸グループ

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