2018年12月18日(火)、桜美林大学にて児童労働について考えるワークショップを行いました。担当したアムネスティ日本 子どもネットワークチームのメンバーが報告します。

昨年度より、桜美林大学の留学生向けの日本語クラスの一コマを訪ねて、児童労働についてのワークショップを実施しています。このクラスでは、日本語学習のための題材のひとつとして児童労働について取り上げる機会があり、今回のワークショップでは事前に触れた内容を掘り下げ、学びを深める時間となりました。また、この日は特別に日本人の学生の方も参加してくださいました。

まず、児童労働について定義や直近の流れも含め、基本情報について学びました。お金をもらわずに、家庭内で働いている子どもが全体の7割を占めるというデータには、驚きの反応も見られました。続いて、児童労働のさまざまなケースについて動画を通じて学びました。一口に児童労働といっても、その内容や原因は多様です。実際に動画を見ることで感じることがあった学生も多く、「かわいそうでつい泣いてしまった」「本当に21世紀のことなのか」という感想がありました。

次に、学んだ内容を踏まえ、「児童労働はなぜいけないのか」についてグループディスカッションを行い、児童労働が子どもたちに与える影響について考えました。子どもの心身に与える直接的な悪影響に加え、教育の機会が奪われることで大人になっても高い収入が得られず、自分が親になったときも教育を重視しないことから貧困の連鎖につながり、社会全体としての発展を損なう結果となるなど、幅広い視点から様々な議論がありました。

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最後に、「児童労働が当たり前だと思っている家庭で児童労働をなくすためには、どうしたらいいのか」というテーマでグループディスカッションを行いました。まずは親に対して児童労働の悪影響について教えることが必要であるという指摘があり、国家として法で禁じることや背景となっている貧困問題の改善に取り組むことが挙げられました。それらの施策の根底に、子どもは親の所有物ではなく、社会として守るべき、未来につながる存在であるという考え方が見られました。

全体の感想として、学生たちからは「ワークショップで聞いた内容は衝撃的だった」「児童労働などの問題は特定の地域の問題だけではなく、みんなに関する問題」「児童労働の問題の解決には、私たちの力が必要だ」といった声が寄せられました。

子どもネットワークにとっても、世界の未来を担う大学生の考えを聞くことができる貴重な機会になりました。世界で起きている問題に目を向け、自分のこととして捉えるきっかけとなれば幸いです。桜美林大学のみなさま、ありがとうございました!

実施日 2018年12月18日(火)
場所 桜美林大学

講演会を3月2日(火)に開催!

講演会「いま求められる平和・人権教育とは~子どもの権利条約をめぐる状況~」

子どもネットワークでは、教育思想史を研究され、また学習権問題に取り組んでこられた堀尾輝久さんをお招きして、3月2日(土)、講演会「いま求められる平和・人権教育とは~子どもの権利条約をめぐる状況~」を開催します。昨今の教育状況を把握する機会です。ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。

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