テプ・バニーさんは、開発事業のために家を壊され強制的に立ち退かされた人たちのために、10年以上闘ってきました。そのために2016年8月から拘束され続けていました。そのテプさんが、2018年8月に釈放されました!

カンボジアの首都プノンペンにあったボンコック湖の水上と周辺には、かつて数千人もの人が住んでいました。しかし、湖を埋め立てて、あたり一帯に住宅と商業施設を建てる事業のため、住民は追い出されました。

テプさん自身も、かつてはボンコック湖周辺の住民でした。地元の問題だけでなく、プノンペンの他の地域での強制立ち退きの問題にも取り組んでおり、カンボジアでは著名な活動家として知られるようになりました。そしてそのために当局に目を付けられ、嫌がらせや暴行、逮捕や投獄などを受けてきたのです。

テプさんは2016年8月に、不当に拘束された人権活動家を支援したことで逮捕され、「当局に対する侮辱」で6日間の実刑を受けました。一緒に逮捕された仲間は6日後に釈放されましたが、テプさんは他の容疑があると拘束され続け、1カ月後の9月には、2011年の抗議活動に参加した件で半年の刑を受けました。この時も、同じ事件で有罪判決となった他の活動家が釈放になったのに対し、テプさんだけが収監され続け、2017年2月に別件で2年半の刑を下されました。罪に問われたのは、2013年に参加した抗議デモについてです。このデモは警察・準警察によって暴力事件に発展したのですが、当局はテプさんにその責任を負わせたのです。

声を上げたために2年も自由を奪われたテプさんですが、この8月20日、国王の恩赦を得て、ようやく解放されました。

アムネスティは不当に投獄されて続けていたテプさんの釈放を求め、世界中で署名活動を行い、今回の釈放につながりました。テプさんのために活動してくださったみなさん、ありがとうございました!

テプ・バニーさんの釈放を求めて声を上げる人たちテプ・バニーさんの釈放を求めて声を上げる人たち ©christophemeireis.com

テプ・バニーさんの釈放を求めて世界中から集まった署名テプ・バニーさんの釈放を求めて世界中から集まった署名 ©christophemeireis.com

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