シリア出身のアフメドさんは、祖国で暮らしていた家族を迎えに行った帰りに、ハンガリーで逮捕され、2016年に「テロ行為の共犯」で10年の刑を下されました。そのアフメドさんが、2019年1月19日に釈放されました!

キプロスで妻と2人の子どもと暮らしていたアフメドさんは、安全を求めてシリアから出国しようとしていた年老いた両親と兄弟、おい、めいの力になろうと、2015年8月にみんなを迎えに行きました。そして1カ月後、帰途のハンガリー国境で、逮捕されてしまいます。

ちょうど、ハンガリーがセルビアとの国境を封鎖した後で、何百人もの難民や移民がセルビア側で足止めされてしまいました。無理に国境を抜けようとする難民・移民とハンガリー警察が衝突し、何人かが石を投げたことに対して当局は催涙ガスや放水銃で応じました。この衝突では「違法に国境を渡ろうとした」として11人が有罪となりました。

その中にはアフメドさんと両親もいました。両親は国外退去を命じられ、移動を続けていた他の家族と合流し、今は、ドイツで暮らしています。しかしアフメドさんは別途「テロ行為の共犯」で起訴され、10年の実刑を受けてしまいます。

衝突の際、アフメドさんも石を投げており、またメガホンを使って対話を警察に要求したと見なされました。それが、難民・移民の入国を強要し、憲法秩序を脅かした、とされたのです。ハンガリーの広範な対テロ法では、暴力行為で体臭を危険にさらしたり、政府機関に何かを強要することは、テロ行為と認定されます。しかし、アフメドさんがメガホンを使って行ったのは、警察への要求ではなく、双方に冷静になるよう呼びかけていたことだけです。

投石行為は許されませんが、それでテロ扱いして10年の刑を下すのは、あまりに不当だと、アムネスティは世界中で、彼の釈放をハンガリー当局に求めました。また、獄中のアフメドさんに対し、励ましのメッセージを送り続けました。

その後、刑期は短縮され、1月、ついに釈放されたのです!みなさんからのメッセージは、獄中の心の支えになったと、アムネスティに感謝の言葉が届いています。手紙書きに参加してくださったみなさん、ありがとうございました!

アフメドさんアフメドさん ©Private

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