インドネシア東部に位置するマルク諸島南部の分離独立運動がもとで2007年から投獄されていたヨハン・テテリサさんが、2018年12月25日に釈放されました。

非常に多くの島に多民族が住むインドネシアは、複数の共和国や自治国から成る連邦国家として、オランダの支配から1949年に独立しました。翌年には単一国家となりましたが、今も分離独立を求める運動があり、政府は昔の国旗やシンボルを禁じて、この運動を抑え込もうとしています。

2007年6月、マルク州の州都アンボンで開かれた政府の式典で、ヨハンさんは、当時のユドヨノ大統領やその他政府代表の前で仲間と共に伝統舞踊を踊り、非合法とされている南マルク独立象徴の旗を振りました。そのために、逮捕されました。ヨハンさんたちは反逆罪で起訴され、ヨハンさんは終身刑を言い渡されました。控訴して刑期は15年に減刑されましたが、平和的な抗議活動を行っただけで投獄されるなど、あってはならないことです。

ヨハンさんは逮捕時にも、勾留中も、投獄されてからも、当局から激しい暴力を振るわれ、拷問を受けました。度重なる拷問を受けてきたために体調を崩しても、必要な治療を受けられませんでした。

アムネスティなどの呼びかけによって、世界中の人たちが、ヨハンさんの治療と、ヨハンさんを含めた政治囚の釈放を政府に求めました。また、故郷から2,500キロ離れた中部ジャワ州の刑務所に収容されていることを懸念し、釈放されるまではアンボンの刑務所へ移送するようにも要請しました。

2018年8月、ヨハンさんがアンボンの刑務所に移送されました。そして12月25日、ついに釈放されたのです。要請活動に参加してくださったみなさん、ありがとうございました!

ヨハン・テテリサさんヨハン・テテリサさん © Private

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