愛知県犬山村にある野外博物館明治村に行ってきました。明治村は、戦後の急速な経済成長の中で失われつつある明治時代の建造物のうち、歴史上も文化芸術上も価値があるものを末永く保ちたいとの意向で、1965年(昭和37年)に開園しました。敷地面積では日本で第3位を誇ります。

4月13日、土曜日の午後、桜は葉桜になり、モクレンも終わりかけていましたが、ツツジが盛りを迎えていました。春に3日の晴れなしと言われていますが、曇り日和の天気の土曜日の午後、何とか雨の心配なく、広いテーマパークの庭園を歩き、いくつかの建物に入りました。

正門からは一番奥にある、帝国ホテル(フランク・ロイド・ライト設計)の2階喫茶室で、参加者5名で待ち合わせ、さっそく金沢監獄中央看守所・監房に入りました。

独居房には3畳ほどの板敷きに、ふとんと洗面用の桶と、ついたてに隠された排泄用の桶が置かれてあります。中に入ってみることも出来ます。朝食・昼食・夕食の三食が茶碗一杯の一膳飯に汁と漬け物、昼と夜は菜もの椀が添えられた見本で刑務所生活を偲ばせます。監獄の看守のマネキンも置かれていてリアルに再現されています。

前橋監獄雑居房は隅にトイレ用らしき穴のひとつ空いた8畳間程度の広さの板張せいどりの部屋が6-7部屋続きます。掲示の説明によると、足尾鉱毒事件で蜂起した民衆を、大人数で収容する為に作られたそうです。

宮津裁判所法廷にも蝋人形がいくつか置かれて、使われていた当時を彷彿とさせます。東京駅警備巡査派出所、京都七條巡査派出所といった日本のKOBAN制度の始まりを実感させます。

そして立派な石作りの金沢監獄正門といった順番で奥から逆の順で回りました。そして、私たちの目的である刑務施設の遺構の見学を終えて、他の施設、建物に向かいました。

小泉八雲避暑の家の奥はカタクリの花の群生地があり、花の盛りは終わりつつあったのですが、それでも8センチほどの、かれんな紫の花を初めて見る事が出来ました。

リング精紡機や平削盤といった機械の置かれた工場や、第四高等学校物理化学教室、郵便局、電話交換台や品川灯台、シアトル日系福音協会などの建物の静態保存だけでなく京都市電や蒸気機関車が走って動態保存もされています。映画やテレビドラマのロケにもたびたび使われているそうです。

明治維新以後の刑務制度を建物を見て観察し考察した半日でした。

アムネスティ会員:西脇鈴代

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実施日 2019年4月13日(土)
場所 博物館明治村(愛知県犬山市字内山1番地)
主催 アムネスティ・インターナショナル日本 国内人権ネットワーク

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