2019年9月11日(水)、アムネスティ東京事務所に於いて、遠藤まめたさんを講師としてお招きし、学習会「みんなで考えるLGBTと人権『多様な性のあり方とは?』」を開催しました。

その概要を主催者であるアムネスティ日本ユースネットワークのメンバーが報告します。

今回の学習会は、

より多くのユース世代が

  • 専門家の話を聞くことで多様な性のあり方について正しい知識を身につける
  • 正しい知識を身につけた上で、多様な性のあり方を巡って生じている問題を当事者の観点から考える

という目標のもと開催されました。学習会には、さまざまな思いや考え、それぞれに異なる背景や関心を持つ幅広い年代の方々が参加してくださいました。

知ること、見つめ直し、新たな思いや考えを新たに抱く、そんな経験を得ることが出来たと感じております。以下、学習会の内容の報告です。

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1. 多様な性のあり方について正しく知り、考える

今回の学習会では、当事者としてLGBT及びセクシュアルマイノリティの子ども・若者支援に携わっていらっしゃる遠藤まめたさんをお招きし、多様な性のあり方についてのご意見や話を伺いました。

先程述べた目標のもと、多様な性に関する基礎的な知識、多様な性のあり方に関する日本の現状、また私たちが現在存在している問題に対してできること、について主に説明をしていただきました。

反省なく語られている言葉の正しい意味を整理すること、性とはそもそも明確に分節化して語られうる事柄なのか、といった問いのあり方を吟味すること、から始めて、現在教育や就労、法律の分野で何が起こっているのか、その結果どのような無用の苦しみが引き起こされているのか、そこから見定められる今後の課題、と言ったことが話題となりました。

性に関する正しい知識や、性を取りまく問題への正しい視座の在りかを学ぶだけでなく、多様な性のあり方を巡って人々が抱える、或いは抱えざるを得なくなっている葛藤、その葛藤に寄り添いつつ、そうした葛藤を引き起こす社会の状況について異なる個人は何を意識し、何をなせばいいのか、自問し、それぞれがさまざまな考えや意識を抱く機会になったと思われます。

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2. 参加者の声を聴く

遠藤まめたさんの講演に続いて行われた質疑応答では、参加者からさまざまな意見が挙がりました。

性の問題を如何にして自然に受け止めることができるのか、性について個人的な事柄を述べることは果たしていかなる問題を持つのか、と言った事柄とともに、そもそもLGBTという用語をセクシュアルマイノリティの総称、代名詞のように述べることは問題ではないか、などといった用語にまつわる課題意識、そして、現在繰り広げられている社会的な状況はなぜ生じていて、それについて遠藤まめたさん自身はどのような意見をお持ちであるのか、今後新たにどのような問題が生じると予測されるか、といった公共的な事象が議論の中心となりました。

また、今回の学習会全体に関して参加者からは、「新しい発見があった」、「自身の思い、考えを共有できた」、「今回の話が今後の自分の行動を後押ししてくれる気がする」という声や、「今回の話を今後の生活に生かしてゆきたい」、「自身の学びの必要性を感じた」といった新たなる課題へと向けられた視線、また「ディスカッションがあればより考えを深められたと思う」という指摘をいただきました。

最後になりますが、我々アムネスティ日本のユースネットワークも、今回いただいた声や交わされた言葉を汲み、問い直しつつ、そして日々を振り返ることから、性を取り巻いて起こされる事柄に対するつよい意識を抱き続けてゆきたいと考えております。

参加してくださった皆さま、遠藤まめたさん、そして問題に関わる全ての皆さまにこの場を借りて感謝を申し上げます。

(文責:加藤)

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実施日 2019年9月11日(水)
場所 アムネスティ日本 東京事務所
主催 アムネスティ日本 ユース・ネットワーク

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