2019年7月30日、スウェーデンの歌手メイヤさんのトーク&ミニライブを開催しました。暑い中、たくさんの人が来場してくださいました。

メイヤさんは、アムネスティ・インターナショナルの会員で、以前から人権問題に関心を持ち、活動に取り組んでこられました。今回、えん罪で43年間の独房生活をしいられ、2016年に釈放された、米国のアルバート・ウッドフォックスさんについて、お話を伺いました。

トーク

トークではアルバート・ウッドフォックスさんについてどのように知り、なぜ手紙を送ろうと思ったのか、また、日本の死刑制度に対する思いや、メイヤさん自身の問題に対する葛藤などをお話しいただきました。

「アルバート・ウッドフォックスさんについて初めて知った時は、ちょうどクリスマスシーズンで、私は一人で寂しいクリスマスを過ごそうとしていました。そんな時、ちょうど独房に何十年も閉じ込められていたウッドフォックスさんの話を読みました。私は自分と同じように独りでいるウッドフォックスさんに変な親近感を抱き、また彼が無罪であるにもかかわらず刑務所にそれも独房に何十年も入れられている状況に激しく怒りを感じ、何か自分にできることはないかと思い、彼に手紙を書くことにしました。」

最初は送った手紙が届かなかったけれど、諦めず何度も手紙を送り続けた末、ようやくウッドフォックスさんに手紙が届き、何度か手紙のやりとりをしたとのこと。彼から送られてきた手紙のひとつに貼られていた ”Liberty Forever ? Justice Forever”(自由よ永遠に、正義よ永遠に)という切手からインスパイアされ、メイヤさんはウッドフォックスさんに向けた「黄色いリボン(Yellow Ribbon)」という歌を作詞作曲しました。

hrc_20190730_Meja_01.png

しかし、こうした活動に携わることで、理不尽な非難の声もあったといいます。

「昔は感情のコントロールが下手でしたが、(怒りっぽいという話が出たときには観客から少し笑いが起こりました)、今では禅の信仰の助けもあり、以前より人々の言動に冷静に対応できるようになりました。」

さらに、モデレータとしてご参加いただいたジョー横溝さんと、日本の死刑制度について話をされる場面もありました。

「日本に、まだ死刑制度があるということを知らなかったので驚きました。」

「ヨーロッパではアーティストが何か社会的活動に参加するということは珍しくないし、みんな何かの活動に参加しています。それは人権問題であったり、環境問題であったり、福祉活動であったりと人それぞれですが、何かを伝える手段として歌で表現することも歌手としての使命なのかな、と私は思っています。」

メイヤさんはトーク中終始笑顔でお話しされ、とても和やかな雰囲気で終了しました。

ミニライブ

hrc_20190730_Meja_02.png

ミニライブは、アカペラでのライブコンサートとなりました。メイヤさんは観客にも一緒に歌うよう呼びかけ、最後には会場が一体化して、ウッドフォックスさんに向けた歌“Yellow Ribbon”を全員で歌いました。

イベント終了後には、メイヤさんと一言交わそうと来場された方たちの長蛇の列が。それでもメイヤさんは嫌な顔一つせず、一人ひとりに笑顔で接し、楽しく素敵な会になりました。

最後に

アムネスティの活動に日ごろから関心を寄せ、自らも人権活動に積極的に活動しているメイヤさんに貴重なお話を伺うことができて、とても有意義な会になり、運営ボランティアスタッフの私としてもとても嬉しかったです。メイヤさんのように、私も行動していきたいなと思いました。

報告書作成者:山本知恵里(ユースチーム)

hrc_20190730_Meja_03.png

実施日 2019年7月30日(火)
場所 Nagatacho GriD
主催 アムネスティ日本

ヒューマンライツ・サポーターになりませんか?