2019年10月6日、「100万人が強制収容されている~中国・新疆ウイグル自治区で、かつてない規模の弾圧~ ビデオ上映とウイグル人のお話」と題し、DVD上映会&日本在住のウイグル人グリスタン・エズズさんの講演会を行いました。総勢19名の方が参加されました。

DVDは、2018年11月の「ウイグル強制収容所から奇跡の生還~オムルベク・アリさんが語る~」および、2019年7月の「ウイグル人強制収容証言集会」の各イベントの様子を録画したもので、上映後には、日本在住のウイグル人、グリスタン・エズズさんのお話を伺いました。

まず導入として、テレビで放映された、ウイグル人などに対する中国政府の弾圧についての特集動画を視聴しました。この問題への国際世論がなかなか盛り上がらないのは、情報が入りにくいことに加え、まさかここまでするとは、という信じがたい状況によるものではないかと考えられます。事実、人権団体で活動している者でさえ、耳を疑うような弾圧が、今、新疆ウイグル自治区では起こっています。

ちなみに、今年7月には、日本など22カ国が、国連人権理事会に懸念を示す文書を提出し、恣意的な人権侵害をやめるように、また、UNHCRの現地調査を認めるよう促しています。

次に、強制収容所から奇跡の生還をはたした、オムルベク・アリさん(本名:オムル・ベカリさん)の証言ビデオを視聴しました。オムルさんは、1976年ウイグル自治区生まれで、カザフ人の父とウイグル人の母の間に生まれました。カザフの旅行会社に勤務していて、両親に会うために帰省したところ、拘束されました。カザフ国籍をもっていたために、強制収容所から出ることができたといいます。

続いて、メヒルグル・トゥルスンさんの証言映像を視聴しました。エジプトに留学していたウイグル人と結婚。子どもを両親に会わせるために、エジプトからウイグルに帰省した際にウルムチ空港で拘束されました。子どもがエジプト国籍だったことで、強制収容所から脱出することができましたが、収容中、過酷な拷問を受けたり、三つ子のうち一人が亡くなるなど、弾圧のひどさを語られていました。

上映後、日本在住のウイグル人、グリスタン・エズズさんが登壇し、中国政府によるウイグル人弾圧の実態を語ってくださいました。

  • パスポートを取るのに、中国人は3日でウイグル人は2か月かかる
  • 中国では、給料が中国人の半分
  • 以前はウイグル語で教育を受けることができたが、今は保育所から中国語で教育され、ウイグル語で話すことは、職場でも家の中でも許されない
  • 各家庭に盗聴器が仕掛けられており、監視されている

現在、グリスタンさんの実弟は強制収容所に入れられ、また、他の家族とも連絡が取れない状況ということです。グリスタンさんは、今、少なくとも300万人のウイグル人が強制収容所に入れられており、この人たちの命を救いたいので、ぜひ協力してほしい、と訴えました。

最後に

参加された方も、まさかそんなに酷いとは思っていなかったようです。 中国は自国の利益追求のためには、人権などお構いなく邁進する国であることを改めて思い知らされました。そして、私たちは、まず、身近な在日ウイグル人の方々を助けていかなければと思いました。

報告者:アムネスティ日本 水戸グループ

 

実施日 2019年10月6日(日)
場所 あむねすみと2F ハングルアカデミー
主催 アムネスティ日本 水戸グループ

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