ブルンジの人権活動家ジェルマン・ルクキさんは、人権団体で働いていたという理由だけで罪をでっち上げられ、2018年8月、「反逆」「国家の安全を脅かした」「反乱運動への参加」「国の権威に対する攻撃」の4つの罪で有罪となり、32年の実刑判決を言い渡されました。しかし、2020年6月、最上級審の破棄院は、被告人に不利な審理が行われた可能性があるとして審理のやり直しを命じました。そして、2021年6月4日、控訴裁判所は刑期を32年から1年に減刑し、ジェルマンさんはついに釈放されました。

釈放されたブルンジの活動家、ジェルマン・ルクキさん

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人権活動に取り組んでいただけで有罪判決を受けたジェルマンさん

ブルンジ・カトリック弁護士協会で働いていたジェルマンさんは、2017年7月に逮捕されました。過去に拷問廃止に取り組む現地の人権団体「ACAT-ブルンジ」と活動していたことで、「反逆」と「国家の安全を脅かした」罪に問われたのです。2018年2月に始まった裁判では、起訴内容に「暗殺」「公共・民間の建物の破壊」「反乱運動への参加」が加わりました。政府が言うところの「反乱運動」は、2015年のンクルンジザ大統領の三選出馬に対する激しい抗議運動のことで、ACAT-ブルンジはその先鋒でした。当時、大統領の再選に抗議する者は、徹底的に弾圧されました。

2019年7月の控訴審もこの判決を支持しましたが、2020年6月、破棄院は有罪判決を破棄し、審理を差し戻す決定をしました。その理由として、2019年の控訴審で陪審員全員が入れ替わったにもかかわらず、それまでの審理内容が引き継がれないまま、被告人に不利な審理が行われた可能性が指摘されました。また、控訴審でジェルマンさんに反論の機会を与えなかったことも問題視されました。

そして、2021年6月4日、ンタハングワ控訴裁判所は、「反乱運動への参加」「国家の安全を脅かした」「国の権威に対する攻撃」に対するジェルマン氏の有罪判決を覆しました。しかし、反逆に対する有罪判決は維持され、懲役1年、罰金5万ブルンジフラン(約25米ドル)に減刑されました。

人権活動に取り組んでいただけで逮捕、起訴され、有罪判決を受けたジェルマンさんは、逮捕から4年以上も投獄されていましたが、そもそも投獄されるべきではありませんでした。

アムネスティの取り組み

アムネスティはジェルマンさんが逮捕された2017年以来、彼の釈放を求めてキャンペーンを展開。2020年にはライティングマラソンで取り上げ、ジェルマンさんの釈放を求める40万通以上のメッセージが、ブルンジの大統領に届けられました。

彼の家族や友人、そして彼の釈放を求めて精力的に行動を起こした世界中の何十万人もの人たちの粘り強い活動が実り、ジェルマンさんは釈放されました!ジェルマンさんのために活動してくださった皆さん、ありがとうございました!