<日本・韓国・台湾>3カ国の政治家に同性婚に関するインタビューを行いました!

2023年9月現在、同性婚はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアなどを中心に35カ国の法律で認められています。しかしアジアで同性婚を認めているのは台湾のみで、日本・韓国といったそれ以外の国では同性婚が未だに認められておらず、婚姻の平等が実現していません。

台湾・日本など東アジア文化圏の国々の話を聞くことで、性的マイノリティの人びとの権利向上のための手がかりを得られるのではないか。そのように考えたアムネスティ日本とアムネスティ韓国は、9月、韓国の京郷新聞と共に、台湾・韓国・日本の政治家への同性婚に関するインタビューを行いました。台湾からは民主進歩党のファン・ユン議員、韓国からは正義党のチャン・ヘヨン議員、日本からは立憲民主党の石川大我議員に参加していただきました。石川議員はゲイであることを公表している数少ない政治家の一人でもあります。今回は政治家、そしてLGBTIの当事者としてお話を伺うことができました。

インタビューの中では各国が婚姻の平等についてどのような歩みを進め、現状どのような政策や法律が整備されているのか、今後の展望などを伺いました。

台湾のファン議員は、2019年に同性婚が合法化され、今年5月にも同性カップルの養子縁組が認められるようになったことなどに触れながら、台湾国内で変革に向けての機運がどのように高まっていったかを説明しました。

韓国のチャン議員は、LGBTIの人々への差別撤廃へ向けた国会での活動やその意義などを語りました。未だに同性婚に対する厳しい見方がある一方、今年2月ソウル高裁にて同性カップルが国民健康保険の扶養家族登録を求めた訴訟で勝訴するなどの明るい兆しも見えているそうです。

日本の石川議員は、今年6月までに札幌、東京、名古屋、福岡の4つの地方裁判所で同性婚を認めないことは「違憲」あるいは「違憲状態」であるという判決が出たことに言及しながら、日本の政治の中で同性婚が認められることの難しさについて話しました。また、自身のバックグラウンドや、LGBTIの当事者としての活動についても熱く語っていました。

今回のインタビューでは、家父長制の強固に残る東アジア圏の政治家として、皆さんの三者三様の取り組みや思いを伺うことができました。また、三者の対話を通じ、同性婚をはじめとするLGBTIの人々の権利を守るための強い意志が共有されました。

韓国語のインタビュー記事は下記でご覧いただけます。
금기 넘어 달라지고 있다…사회가 먼저, 정치도 응답하라

(執筆:インターン 廣崎夏愛)