2024年6月9日〜15日にかけて、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の最新の人権状況を伝えるべく、アムネスティ韓国支部のチェ・ジェフンと、North Korea Watch事務総長で脱北者でもあるアン・ミョンチョルさんが来日し、東京、神奈川、愛知、大阪の全国4カ所で講演会を行いました。
金正恩(キム・ジョンウン)政権下の北朝鮮では、国民に対する抑圧や情報規制がいっそう強化され、国内の人権状況は危機に瀕しています。北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)による報告書で、北朝鮮における組織的な人権侵害の詳細が公表されてからちょうど10年が経った今、北朝鮮国内で何が起きているのでしょうか。
アムネスティ韓国は2022年、約60人の脱北者からの証言をまとめた『60+Voices』を出版。正確な情報にアクセスすることさえ困難な中、北朝鮮が直面している危機的状況を多くの人に伝えたいという思いから、今回、お二人の緊急来日が実現しました。
講演会では、すべての会場を合わせて230名を超える参加申し込みがあり、特に東京講演では、オンラインを含めて約130人が参加。後半の質疑応答では、時間内に読み切れないほど多くの質問が寄せられました。神奈川、愛知、大阪での講演においても同様に鋭い質問が飛び交い、参加者の関心の高さが伺えました。
講演会の合間には、メディア向けに記者会見を行い、また、日本国内で北朝鮮の人権問題に取り組む団体や、外務省の北朝鮮担当者、大使館や国内在住の関係者などを訪問しました。ハードなスケジュールでしたが、多くの方のご協力もあり、北朝鮮の人権状況について国際社会が関心を持ち続けることの大切さを訴えることができました。
日程を終えてアムネスティ韓国職員チェ・ジェフンは「日本の皆さんの北朝鮮問題に対する関心の高さに感銘を受けました。東アジアという同じ地域で活動しているにもかかわらず、長い間、アムネスティ韓国と日本は一緒に活動する機会がありませんでした。今回、東アジア共通の人権問題についてともに取り組めたことは、今後の北朝鮮人権擁護はもちろん、東アジア地域全般の人権擁護活動のためにも非常に大きな一歩になったと感じています」とコメント。
アムネスティ韓国は、今年秋には台湾でも同様の講演を予定しています。アムネスティはこれからも、国境を越えて連帯し、一人でも多くのたくさんの人の声を集め、より大きな力に変えて、東アジアの人権を守るために活動を続けます。
開催日/場所 |
講演会「脱北者が語る「闇に包まれた北朝鮮の人権危機」 2024年6月10日(月)/鎌倉市生涯学習センター(神奈川講演) 2024年6月11日(火)/参議院議員会館 特別会議室(東京講演) 2024年6月12日(水)/Nagoya YWCA(愛知講演) 2024年6月13日(木)/大阪駅前第1ビル 11階(大阪講演) |
主催 |
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 (神奈川連絡会、わやグループ、栄グループ、関西連絡会) |