戸塚悦朗弁護士

2024年6月15日、RAFIQとアムネスティ日本の関西連絡会の共催で、「外国人のヒューマンライツ~私たちは外国人に対してどのように向き合って行くべきか?~」と題し、戸塚弁護士による講演会を開催しました。当日は、会場28名、オンライン40名の合計68名がご参加くださいました。

戸塚弁護士は、「Human rights」を「人権」と翻訳し、憲法が保障する権利(人権)とは内容が異なるにもかかわらず、同義語的に使っていることの問題点や、そのことによって国際法による権利保障の視点が不可視化されていることを指され、国際法が保障する権利を「人権」と訳さずに「ヒューマンライツ」と表示する必要性を提唱されました。

興味を引いたのは、明治時代の尋常小学読本にある桃太郎説話の解説です。「桃太郎が鬼ヶ島へ宝物を取りに行き、門には鍵がかかっていたが、暴力で宝物を奪ったことは、刑法では押し込み強盗に該当する。また、この説話はある意味、日本人と外国人との交流の原点といえる物語で、鬼とは外国人であり、仲間でなければ理由なしに物を取りに行っても良いという内容である」というお話です。

また、日本人の精神構造の原点はムラ意識であるとし、「大雨が降るということで、自分たちの村では必死で堤防を補強し、なんとか決壊を防ぐことができた。しかしながら対岸の村の堤防が決壊し洪水となってしまった。その時、これを知った村人達は万歳と叫んだ」という逸話を紹介されました。対岸の村人たちは自分の仲間だとは考えていない、という話につながります。

講演会には、映画『ワタシタチハニンゲンダ』の高監督が特別参加され、外国人への差別を前に、一人ひとりが「自分は何ができるか?」を考えてほしいと話されました。終了後、戸塚先生の近著 『外国人のヒューマンライツ』(日本評論社)出版記念懇親会も行いました。

戸塚悦朗弁護士による講演会「外国人のヒューマンライツ」懇親会

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開催日 2024年6月15日(土)14:00~16:00
場所 日宝道修町ビル308
主催 NPO法人RAFIQ(難民との共生ネットワーク)
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 関西連絡会