【イベント報告】人権デー2025「Don't control us ! 声を統制させないために〜手紙を書いて、対話して、世界中で人権のために行動する日〜」を開催しました！

2025年12月7日(日)、「世界人権デー2025『Don't control us ! 声を統制させないために〜手紙を書いて、対話して、世界中で人権のために行動する日〜』」を開催しました。

ゲストには、社会に問題意識を持ちながらユースとして活動してきた中村眞大さん、飯沼雄介さん、白坂リサさん、パレスチナ/イスラエル問題研究者の早尾貴紀さん、哲学者の永井玲衣さん、そして演劇ワークショップ講師の林拓郎さんをお迎えしました。 アムネスティ・インターナショナルでは12月10日の「世界人権デー」を「人権のために行動する日」として、世界中でハガキ書きのイベント「ライティングマラソン」をはじめ、さまざまなイベントを開催しています。

会場は、昨年と同じくJR御茶ノ水駅からすぐのワテラスサロン1階。開放的な空間の中で、参加者は挽きたてのコーヒーやハーブティーをいただきながら、人権や平和について考え、話し合いました。ユース企画の若い世代の参加者をはじめ、アムネスティでの活動歴40年以上のベテランまで、さまざまな年代の方に参加いただきました。ゆったりと人権について語り合いながら、所属や年齢を超えて交流を深める貴重な機会となりました。

また、セッションの合間には、世界最大の人道危機が続くスーダンの民間人保護を訴えるアムネスティ国際事務局主導のフォトアクション（集合写真）を参加者有志で行いました。

＜オープニング＞「Write for Rights(ライティングマラソン)2025年ケース紹介」

現役職員とボランティアが、アムネスティ創設の背景や現在取り組んでいる主要な課題について紹介しました。その後、アムネスティ伝統の「ライティングマラソン」の意義と歴史を紹介し、2025年に重点的に取り組む8つ（内一つは釈放済み）の人権侵害のケースについて、特にそのうちのいくつかに焦点を当てながら説明しました。会場の一角には手紙書きコーナーが設けられ、各セッションの合間に多くの方に参加いただきました。

＜ユース企画＞私たちの声からはじまる人権のストーリー

アムネスティのユースメンバーが企画し、フリーライターでNPO法人School Liberty Network代表の中村眞大さん、Climate Live Japan実行委員会・同志企業担当の飯沼雄介さん、そして表現者・ライターの白坂リサさんをゲストスピーカーに迎えて行われた、ユースによる、そしてユース（を含むすべての世代）のための企画。この3人のゲストスピーカーに加え、ファシリテーターとして参加したアムネスティ日本ユースコーディネーターも含めた4名が、それぞれの活動を始めるようになったきっかけや、日本で人権や社会問題について発信していくことの難しさ、そしてそれを続けるモチベーションなどについて熱く語り合っていただきました。質疑応答には参加者からは多数の質問が寄せられ、これからの未来を抱くユース活動家たちへの高い関心が感じられました。

＜パレスチナ企画＞ガザをめぐる支配の構造に迫る〜停戦は本当の解決か？〜

東京経済大学でパレスチナ／イスラエル問題を専門に研究されている早尾貴紀さんを講師にお迎えし、地域の歴史や2025年10月の停戦合意、さらにパレスチナ国家承認が相次ぐ中での日本の国際社会における立ち位置など、多岐にわたる内容についてお話しいただきました。 ガザで今も続く戦闘や人権侵害を踏まえ、パレスチナの人々の民族自決権を国際社会が尊重すべきだというメッセージに深く頷く参加者も多く、パレスチナの歴史や日本の役割などに関する質問も多く寄せられました。

＜Activism企画＞Philosophy Workshop：対話 for rights 体験

この企画では、演劇ワークショップ講師の林拓郎さんによるYes, andワークショップ、そして全国で対話の実践をされている哲学者・永井玲衣さんによる哲学対話を実施しました。「人権を体感する」をコンセプトに、参加者全員で"人権が守られた環境"を実際に作り出すことを目指した企画です。

まずはYes, andのゲーム型ワークショップでウォーミングアップ。大切にしたのは「失敗したときに、みんなで喜び合う」ということ。初めて顔を合わせた参加者同士が、失敗を祝いハイタッチを交わし、自然な笑顔が生まれていました。続いて永井さんの哲学対話へ。Yes, andワークショップを経たこともあり、対話は自然と深まりました。「自由ってなんだろう」「人権を尊重するってどういうことだろう」。普段はなかなか話し合う機会のない問いについて、全員で全員の意見に耳を傾け、考え合う、有意義な時間となりました。

2025年は、人権を脅かす出来事が世界各地で相次ぎ、人権を守る国際的な取り組みが大きく揺さぶられた一年でした。それでも、私たちは声を上げ続けます。「Don't control us！」というメッセージのもと、すべての人の権利と自由を守りたいという参加者のみなさんの力強い思いが集まり、希望と連帯を強く感じる一日となりました。2026年も、この声と行動をさらに広げ、人権が尊重される世界に一歩でも近づけるよう、共に歩んでいきましょう！