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日本:「立川テント村事件」の最高裁判決を懸念

2008年4月11日
国・地域:日本
トピック:取調べの可視化
本日、最高裁第二小法廷は、いわゆる「立川テント村事件」に対して有罪とする判決を出した。アムネスティ日本は、本判決は日本における表現の自由を脅かすものであり、国際人権基準をないがしろにするものであるとして非難する。

そもそも、政府と異なる意見を表明する自由を確保することこそが、国際人権諸基準および国内法の最高規範である憲法が規定する、表現の自由の本質である。したがって、本件のように、政治的意見を表明するビラの配布は、それが平和的に行われるものである限り正当な権利の行使であり、社会が受容すべきものである。日本政府には、こうした政治的意見の表明を受容する義務があり、国際人権基準を遵守し、最大限その実現に努めるべき責任がある。平和的な意見表明に対して、他者の権利の侵害などを口実として制約を課してはならない。

今回の判決は、政府と異なる意見に対する弾圧そのものであり、有罪判決それ自体が、国際人権基準に対する重大な挑戦である。アムネスティ日本は、人権を保障する義務について、日本の法執行機関および司法機関が理解していない点を強く懸念する。この点については、すでに自由権規約委員会などの条約機関からも、再三にわたり、国際人権基準についての正確な理解を欠いている旨が指摘されている。日本政府は、条約諸機関からの改善勧告を誠実に実施し、法執行機関および司法機関の職員が国際人権基準を十分に理解できるよう、具体的な措置を講じるべきである。

今回の事件に見られるような国家による人権侵害、表現の自由の侵害を防ぐために、国際人権基準に基づき、独立した国内人権機関による救済措置や、条約機関に対する個人通報手続などが設けられなければならない。こうした点も条約諸機関からたびたび指摘されている。しかしながら日本政府は、これらの勧告も実施しておらず、個人通報制度も受託していない。アムネスティ日本は、日本政府が速やかに個人通報制度を規定する自由権規約第一選択議定書に加入すること、ならびに国際基準に基づく独立した国内人権機関を設置するよう、強く求めるものである。

立川での事件以後、政治的な内容を持つビラを住居に配布した個人が逮捕・起訴される事件が相次いだ。そうした取り締まりは、国内での政治的意見表明や社会的な活動を萎縮させている。そうした状況の中で出された今回の判決は、日本国内における表現の自由を後退させるものであるとアムネスティは考える。

背景情報:
日本国内ではじめて良心の囚人として認定された3人の逮捕、拘禁は、自衛隊のイラク派遣をめぐって厳しい意見対立が生じていた時期に起こった。
逮捕後、3人の良心の囚人は、弁護人の立会いがない中で毎日8時間の取り調べを受けた。そうした取り調べの様子を記録する録音、録画などは行われなかった。また、拘禁中、外部との接見交通も制約され、弁護人以外との面会が認められなかった。しかも、別件による逮捕を加えたため、75日間の長きに渡って代用監獄に拘禁されていた。また拘禁中、しばしば暴言や性的、精神的な虐待にあたる言動があったとも伝えられる。
第一審の東京地裁八王子支部は、2004年に表現の自由を保障する観点から無罪とした。しかし、検察側の控訴を受けた東京高裁は、2005年12月、住居侵入罪を適用し、罰金刑を言い渡した。

アムネスティ・インターナショナル日本声明
2008年4月11日

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