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日本:死刑執行に対する抗議声明

2013年12月12日
[日本支部声明]
国・地域:日本
トピック:死刑廃止

アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、東京拘置所の藤島光雄さん、大阪拘置所の加賀山領治さんに死刑が執行されたことに対して強く抗議する。安倍政権は発足2カ月後の2月に3人の死刑執行を行い、その後も4月に2人、9月に1人、そして4回目となるこの度の執行で、8人の命を奪ったことになる。安倍政権下で行われるハイペースの死刑執行は、再三にわたり死刑廃止を求める国際社会の要請と真っ向から対立するものである。

本年9月12日、執行後の会見で、法務省は死刑執行を選んだ時期について問われたが、「例えば再審に該当する事由はないかとか、あるいは刑の執行停止を命ずるべき事由があるのかないのかということを慎重に検討し決定した」との、常に概括的な回答をするにとどまった。

また、藤島さんについては死刑確定から18年以上が経過している一方で、加賀山さんについては、死刑確定からわずか1年5カ月弱で執行された。このような判決確定後死刑執行までの期間に死刑確定者間で大きな差があるという現状については、「個々の死刑執行をどうしていくかという問題」として死刑確定後執行までの経緯を一切公表しなかった。さらに、執行人数の基準についても、「ありません。一つ一つ検討していくということ」として何ら合理的な回答はなされなかった。

以上の回答は、法務省が「死刑は国家が国民の与り知らぬところで秘密裏に行うもの」と位置づけていることの顕著な表れである。

アムネスティ日本事務局長の若林秀樹は、「国家が一市民の人命を奪うに至るまでの過程を一切明らかにしないことは、主権者である国民の知る権利を著しく制約するものとして許されない」と述べた。

政府は死刑存置の理由として第一に世論調査での死刑制度への支持や国民感情を挙げるが、死刑がどのように決定され、手続きが進行し、執行に至るのかが明らかとなれば、国民の死刑制度に対する意識は大きく変化するであろう。わずか1週間前に成立した特定秘密保護法においても、国民の知る権利は著しく制約された。これらにみられる政府の情報統制の姿勢は、主権者である国民から政権運営の当否について判断する材料を奪うものである。このような、国民の意識改革の機会を一方的に奪い、健全な民主主義を骨抜きにする政府の行為を見逃してはならない。

また、法務省は、現在の死刑制度の是非についての検討状況および必要性について問われ、「特段のことが必要だとは思っていない」として、法務省内で問題提起すらなされていない現状を露呈した。

2008年、国連の自由権規約委員会は、「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべき」としており、さらに本年5月31日、国連の拷問禁止委員会は、日本審査の総括所見において日本政府に「死刑を廃止する可能性を検討すること」を要請した。しかし、日本政府はこれらの勧告に耳を貸さないばかりか、議論の必要性さえも否定し、国際社会の一員としての義務を放棄している。

世界の3分の2以上の国が法律上または事実上死刑を廃止している今なお、死刑制度を存置する日本には、その是非について論議を尽くす責務がある。かかる責務を果たすため、日本政府は死刑に関する情報を広く一般に公開するとともに、国内における死刑制度についての討論を活発化させるための方策を講じる重責を負っている。

アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対する。死刑は生きる権利の侵害であり、残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、死刑にたよらない刑事司法制度を構築する国際的な義務を負っている。アムネスティは日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として公式に死刑の執行停止措置を導入し、全社会的な議論を速やかに開始することを要請する。

2013年12月12日
アムネスティ・インターナショナル日本

※死刑執行抗議声明における「敬称」について
アムネスティ日本は、現在、ニュースリリースや公式声明などで使用する敬称を、原則として「さん」に統一しています。また、人権擁護団体として、人間はすべて平等であるという原則に基づいて活動しており、死刑確定者とその他の人々を差別しない、差別してはならない、という立場に立っています。そのため、死刑確定者や執行された人の敬称も原則として「さん」を使用しています。

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