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中国:厳しいテロ対策法は人権への攻撃

2015年3月 9日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
トピック:

中国の新しいテロ対策法案は、宗教の自由や表現の自由、また少数民族の権利を攻撃するために使われかねない。テロ対策法案は、最近の修正を経ても、平和的に宗教を信仰したり、単に政府の政策を批判した人びとが、「テロ」や「過激主義」に関連した範囲の広い容疑で迫害されることを防ぐための保護措置を、事実上何も設けていない。年に1度開かれる中国の国会、全国人民代表会大会が3月5日から開催中だが、テロ対策法の最新の法案を形式的に採決すると見られている。

中国政府には暴力による攻撃から人びとを守る義務があるが、この厳しいテロ対策法はそのための正しい処方箋とは言えない。宗教の自由を攻撃したり、政府を批判する人を黙らせるための口実として、国家の安全が利用されている。テロ活動を行っていると疑われれば、誰もが移動の自由を厳しく制限されたり、いわゆる「教育措置」や他の恣意的な拘禁の対象になる可能性がある。

テロ対策法の修正は十分とは言えない。中国当局はあいまいな文言で書かれたこの草案を破り捨てて、一から法律を作り直すべきである。法律には、国家の安全と個人の権利とのバランスを取るための適切な保護措置を設ける必要がある。国際基準は、国の安全保障に関する法においても、表現の自由を含む人権が保護されることを求めている。

政府の政策や政府自体を平和的に批判することを含む表現の自由は、いかなる法律のもとでも明確に保護されるべきである。現法案では、新彊ウイグル自治区における宗教の自由が、特に攻撃の対象となっている。

宗教の礼拝のための場所を提供する人は誰でも、例えその宗教活動が完全に平和的なものであっても、犯罪者にされ、テロリストあるいは過激主義者と決めつけられる可能性がある。この数年間、中国当局は、新彊ウイグル自治区において、テロや宗教的過激主義撲滅の目標を掲げて、ただでさえ抑圧的なイスラム教に対する規制を一層強化してきた。

当局は公共の場でイスラム教信者であると表現することに対し、規制を徐々に強めている。男性の長い髭やヒジャブ(女性が頭髪を隠すために着用する布)、イスラム教のシンボルである三日月と星のついたTシャツの着用が禁止されている。また、当局はラマダン中、いくつかのグループが断食を行うことも禁止した。

2014年5月、新彊ウイグル自治区において、違法行為を厳しく取り締まる「厳打」キャンペーンが開始された。キャンペーンにおいて、当局は迅速な逮捕と迅速な裁判、そして一度に大量の判決を言い渡すことを優先した。また政府は、検察と裁判所がより緊密に協力することを求めた。そのため、起訴された人びとが、公正な裁判を受けられないのではという新たな懸念が生じた。

中国の国営放送は、「厳打」キャンペーンの開始から6カ月後にあたる2014年の秋までに、少なくとも238人の「違法な宗教伝道師」とされた人びとと、宗教活動のための場所を提供した人びとが拘束され、171カ所の「違法な宗教活動」のための場所が「撤去された」と報じた。キャンペーン中に、1万8千冊の本と2,600枚のCD・DVDなど全部で2万3千点にのぼる「違法な宗教品」が押収された。

1月、新彊ウイグル自治区の共産党委員会は、2015年は「厳打」の年であり、「厳打」キャンペーンの実施期間を年末まで延長すると宣言した。中国政府が新彊ウイグル自治区の「厳打」キャンペーンを、将来全国レベルで行うテロ対策の青写真と考えているのは、背筋が凍るような事態だ。危険な前例として、ウイグル・オンラインというウェブサイトを開設した高名なウイグル人学者イルハム・トフティさんが「国家分離容疑」で有罪となり、2014年9月に無期懲役を言い渡された。当局はウェブサイト上の記事を主な証拠として挙げた。イルハムさんの例は「厳打」のモデルケースと見られている。アムネスティは、イルハムさんは単に人権を平和的に行使しただけで投獄された「良心の囚人」であるとして、イルハムさんの即時かつ無条件の釈放を求めている。

アムネスティ国際ニュース
2015年3月4日

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