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米国:米企業の8割が紛争鉱物法の要件を満たさず

2015年4月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:米国
トピック:企業の社会的責任

アムネスティ・インターナショナルとグローバル・ウイットネスは4月22日、紛争鉱物の取引について企業の取組状況を分析してまとめた報告書を公表した。分析では、米国の上場企業のほぼ80%が、アフリカ中部の紛争鉱物が自社製品に含まれているかどうかの調査とその結果の開示を怠っている実態を明らかにしている。

両団体は、アップル、ボーイング、ティファニーほか100社の紛争鉱物報告を分析した。2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)には紛争鉱物開示条項があり、紛争鉱物の使用状況に関する情報開示などを米上場企業に義務付けている。2014年の報告が初の開示となり、自社製品に使用する鉱物をアフリカ中部の国々から調達していると考える1,000社以上が米国証券取引委員会に提出した。紛争鉱物法として知られる同条項の目的は、アフリカ中部からの鉱物調達が紛争や人権侵害の一因となるリスクを低減することだ。

報告書を分析した結果、米企業の透明性に深刻な問題があることが分かった。

「紛争鉱物法は、世界の鉱物資源をめぐるサプライチェーンを健全化する良い機会だ。しかし、私たちの分析では、ほとんどの企業はこれまでどおりの取り引きにこだわり、それが現地の武装集団の資金源となっている問題にまともに取り組もうとしていないようだ」と、グローバル・ウイットネスの政策アドバイザー、カーリー・オボスさんは語る。

「これは大きな問題だ。資金力のある業界が紛争鉱物法のあらゆる規定に抵抗してきた。その時間とお金を、適切な調査とサプライチェーンの報告に使ってほしい。そうすれば、購入する側は、安心して紛争鉱物と無縁の製品を使うことができるだろう」

コンゴ民主共和国は、金、スズ、タングステン、タンタルなどの鉱物資源の世界的な供給国だ。これらの鉱物はいずれもスマートフォンやパソコンに欠かせない。しかし、15年以上にわたり、同国東部の武装勢力は資金源として採鉱業界を食い物にしてきた。その資金による戦闘で住民は悲惨な目に遭い、重大な人権侵害を受けてきた。

報告書を分析した企業の主な課題は次の通りである。

  • 100社中79社が米国紛争鉱物法の最低限の要件を満たしていない。
  • 企業のほとんどは、鉱物調達のサプライチェーン計画が不十分で不適切である。直接の取引先だけでなく、川下の製錬業者や精製業者まで連絡をとった、あるいはとろうと努めた企業はわずか16%である。
  • 100社の半数以上が、サプライチェーンに何らかの問題がある可能性を認識しても、そのことを組織幹部に報告してもいない。

グローバル・ウイットネスとアムネスティの分析では、2割の企業が紛争鉱物法の要件に沿っていた。実施は困難で高い経費が掛かるという議論は通用しない。行った企業があるのだ。サプライチェーンをまともに調査しない言い訳にはならない。

「消費者は、企業のロゴの背景に何があるのかを知りたいのだ。企業は、店にある商品をたどったら紛争や人権侵害など悲惨な状況が見えてきたなどということが絶対にないよう、すべての課題にしっかり対応することが強く要請されている。単なるモグラたたきでは、何も変わらない。サプライチェーンそのものにメスを入れることが、危険な鉱物取引をなくし、紛争で疲弊するアフリカ中部の国々に資することになる」

著名なコンゴ人の軍医で人道主義者のデニス・ムクウェジ博士は次のように語っている。「企業は、調達する鉱物がどのように生産され流通しているかを学ぶ努力をもっとすべきだ。この6月には次の報告があるが、こうした点を具体的に説明する必要がある」

アムネスティ国際ニュース
2015年4月22日

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