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米国:アップル対FBI 暗号解除は人権のパンドラの箱を開けること

2016年3月25日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:米国
トピック:

IT大手のアップルは、米連邦捜査局(FBI)がiPhoneの通信内容の暗号解除への協力を命じたのに対し、裁判所に異議申し立てをしている。当局が暗号解除を命じることは、世界中の人権に対する脅威である。

世界中の人びとにとって、プライバシーと言論の自由の権利の保護には、通信内容と個人情報の暗号化が不可欠である。

暗号化を禁ずることは、封筒やカーテンの使用を禁じるようなものだ。私生活を他人にさらさないための基本的な手段を奪い取る。

暗号の解除に動く当局は、このパンドラの箱を開ける前に、再考すべきである。ネット上の個人情報の保護を弱体化させることは、自由な社会を脅かし、当局の責任を追及する人権活動家やジャーナリストの活動を危険にさらす可能性がある。

企業に暗号化の抜け道を提供させることは、国際人権法に違反する。なぜなら、そのソフトを使用するあらゆる個人の通信内容と個人情報の機密性を、無差別に阻害するものだからだ。

今回のアップル対FBIでは、問題となっている特定のスマートフォン情報にアクセスを要求することは、合法かもしれない。しかし、問題はその手法である。セキュリティー機能を無効にする「バックドア」の設置を許せば、米国政府そして潜在的には他国でも、IT企業に強制して暗号化を弱めたり回避できるように自社製品を改変させることが常套手段となりかねない。

このような「バックドア」を作ることは、ネット上のプライバシーが脅かされるだけでなく、表現の自由を萎縮させることになり、犯罪者がクレジットカード情報を盗み取るように、ネットのコミュニケーションや個人情報のセキュリティーを脅威にさらす。

政府のための「バックドア」が、個人の通信に不正侵入するサイバー犯罪に悪用される危険があり、当局による政府の批判者の監視や弾圧に乱用される可能性もある。

ネットの検閲と監視でますます人権への脅威が増す中、セキュリティーの弱体化は、当局に立ち向かう人権活動家、汚職を暴露するジャーナリスト、高圧的な当局の責任を追及する弁護士などが自由に情報を伝えたりネットを利用できる環境を脅かしかねない。

キューバ、パキスタン、インドなどではすでに、ネット上のコミュニケーショの暗号化制限や暗号化の強度制限を行っている。ロシア、モロッコ、カザフスタン、パキスタン、コロンビアなどでは、暗号化そのものを禁止する場合もある。

アムネスティは、正当な目的があり、その目的に沿った必要かつ相応な程度であれば、暗号化の制限は認められると考える。

アムネスティはまた、企業に対し個人情報の保護に適切な強度の暗号化を求めている。

暗号化の禁止あるいは弱化は、私たちの個人情報のセキュリティーを損ない、プライバシーを脅かすことは、明らかである。暗号化の制限に取り組む国がある。表向きは治安上の理由だが、暗号化を弱めることは、ネット上のセキュリティーに重大で予期せぬ結果をもたらすことを考慮していない。これは、短絡的で誤りである。

アムネスティ国際ニュース
2016年3月22日

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