6月1日~3日、第5回アフリカ開発会議(TICAD)が横浜で開催されました。この会議に出席した、アムネスティ日本の事務局長、若林からの報告です。

アフリカは何カ国あるのか、ご存知ですか。正解は54カ国。最近では高い経済成長率を保ち、今や世界はアフリカ抜きには語れないほどの存在感を示し始めています。

アムネスティ日本は、この第5回アフリカ開発会議に市民社会の一員として参加し、意見を表明してきました。

そもそも、アフリカ開発会議とは、アフリカの開発を議論する国際会議です。1993年以来、日本が主導し、国連、世界銀行等との共同により、5年に1回開催され、今度で5回目。

今回の会議には、アフリカから51カ国の首脳、市民社会からは多くのリーダーが集まりました。また、同時に開催されたさまざまな公式イベント、アフリカの物産展や文化などを紹介した展示もあり、会場の周りはまさにアフリカ一色。

hrc_ticad_20130601_01.jpg会議の会場近くで開催されたアフリカンフェアの様子

開発には人権の視点が重要

この会議は、もともと政府間のフォーラムですが、市民社会の声はアフリカの開発にとって、もはや無視できないものになっています。市民社会のリーダーたちは、この会議を通じ、市民社会がアフリカの開発に、より一層参画できるよう求めてきました。

そんな中、アムネスティ日本は、この1年間、日本の市民社会の一員として積極的に会合に加わり、日本政府のみならず日本のNGOに対しても、人権を重視したアフリカ開発のアプローチを訴えてきました。

今回の会議の主要テーマは「強固で持続可能な成長」であり、民間セクター主導の成長を促進するために、投資環境の改善など、経済成長に焦点が当てられました。もちろん市民社会として、経済成長は重要だと考えていますが、一部の企業や政治家だけでなく、アフリカ大陸に住む市民全体に成長と豊かさが共有され、すべての人の人権が守られる社会でなければなりません。

さらに、アフリカへの投資・ビジネスに関しては、国連で承認された「ビジネスと人権に関する指導原則」等、人権を重視した国際基準を遵守すること、妊産婦の健康は人権問題であり、性と生殖の権利を守り、それに関する保障サービスや教育を充実させることも求めました。

まだまだアフリカでは、貧困、格差拡大、人権侵害、紛争など、多くの深刻な課題を抱えています。これらの問題を解決するには、政府や企業だけでなく、市民社会も巻き込んだ開発が必要です。

アムネスティ日本は、引き続き、アフリカの開発において人権の視点が軽視されることの無いよう、取り組んで行きます。

hrc_ticad_20130601_02.jpg一般市民の声を伝える、市民社会のリーダーたちと安倍総理(一番左がアムネスティ日本の事務局長 若林)

妊産婦の権利を守る! 「My Body, My Rights」キャンペーン

アムネスティ・インナーナショナルは現在、女性や少女の性と生殖の権利を守るキャンペーン、「My Body, My Rights」を世界中で行っています。

世界では、毎年35万人の女性が、妊娠中あるいは出産時の合併症により命を落としています。 アフリカ地域の妊産婦の健康状態は途上国の中でも非常に悪く、サハラ以南の妊産婦死亡率は39人に1人、国によってそのリスクは15人に1人にまで上がります。

適切な医療を受けることができさえすれは、妊産婦の死亡や病気の多くを防ぐことができます。 女性や少女の性と生殖の権利を守るよう、世界のリーダーたちに訴えてください。

▽今すぐオンライン署名に参加する
My Body, My Rights:子どもを産むのも命がけ。そんな世界に NO !

 

開催日 2013年6月1日~3日
開催場所 横浜(神奈川県)
主催 日本政府、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、
アフリカ連合委員会(AUC)