パラグアイには、人口の1.7%、およそ10万人の先住民族が住んでいるといわれ、なかには昔からの文化や風習を大切にして暮らしている民族もいます。しかし、先祖伝来の土地を奪われ、そうした伝統を守ることができずにいる人びとがいます。そのひとつがサウォヤマシャのコミュニティです。

1990年代、外国人投資家に住むところを追い出され、水・森林資源や狩猟・採集などの生活手段を失い、以来20年以上も貧しい生活を強いられてきました。

パラグアイでは憲法で先住民族が慣習地を保有する権利を認めています。その権利を守ってほしいと、サウォヤマシャの人びとは政府に訴えました。しかし、この土地を民間企業が所有していることもあり、政府は問題を解決することができませんでした。

そこで、米州人権委員会、さらには米州人権裁判所に申し立て、裁判所は2006年、彼らの権利を認めて、先祖伝来の土地をコミュニティに返還するよう政府に命じました。しかし、期限が来ても対処しない政府に対しアムネスティは、世界中で要請運動を展開しました。
 

▽アムネスティが行ったアクション
人間らしく生きたいキャンペーン:「私たちは、私たちの土地を返してほしいだけ」
 

2011年にようやく政府と民間企業、サウォヤマシャの代表との間で協定が交わされましたが、2012年に大統領が議会によって罷免され新政権が発足すると、交渉はとん挫してしまいます。アムネスティは世界に問題を訴え続け、政府に要請を繰り返してきました。

そして2014年5月21日、ついに解決の道が開けました。下院議会は、サウォヤマシャの人びとが求めていた約144万キロ平方メートル(神奈川県川崎市とほぼ同じ面積)の土地を政府が収用してコミュニティに返還するという法案を可決させたのです。所有者である民間企業には賠償金が支払われることになります。そして、6月11日、大統領がこの法案を承認しました!

みなさんの力が、サウォヤマシャの人びとの20年以上にわたる闘いに大きな勝利をもたらしたのです!
 

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アクション期間 2010年9月17日~2012年5月9日
要請先 パラグアイ駐日大使宛

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