3月2日(土)、教育思想史における第一人者で、家永教科書裁判や旭川学力テスト裁判、日の丸君が代予防訴訟などにも直接関わり、学習権問題に長年取り組んでこられた堀尾輝久氏をお招きして、平和と子どもの人権についての講演会を開催しました。

前日が韓国の独立運動100周年の日であり、それに関連して二度の世界大戦と世界の平和への動き、それと日本の、中でも1929年の不戦条約批准時に外相だった幣原喜重郎が、戦後マッカーサーに憲法9条の内容を提案するまでの経緯を、平和の問題が子どもの権利とは不可分という観点から話されました。

現代の子どもの権利の成立には長い過程を経ています。「子どもの発見(J.J.ルソー)」から「未来世代の権利宣言(クストー)」への歴史的流れを踏まえた上で、子どもの権利の基本は子ども時代を充実させることだという考えを共有する必要があります。

それは、周囲との関係性が含まれた権利として考えるものであり、子どもの権利は子どもだけで成立するものではありません。

しかし日本の競争社会は生徒にも先生にもゆとりと自由がなくて子どもの権利を実現できる環境とはいえず、国連子どもの権利委員会からは子ども期の貧困・過度な競争システムの害を指摘されつづけているという状況について解説していただきました。

日本教育学会や日本教育法学会の会長も務められた堀尾先生には数多くの著作もありますので、教育と権利に関心をお持ちの方は、「未来をつくる君たちへ 地球時代をどう生きるか」(清流出版)や「人権としての教育」(岩波書店)などをお読みになってはいかがでしょうか。

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実施日 2019年3月2日(日)
場所 人権ライブラリー(東京)
主催 アムネスティ日本 子どもネットワーク

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