「私の目標は平和と人権の実現です。粘り強く取り組んでいけば、そして人権のために闘うみなさんの声があれば、必ず実現できると信じています。」(ナルゲス・モハンマディさん)

 

2015年5月から投獄されていたナルゲス・モハンマディさんが、10月8日に釈放されました。

ナルゲスさんは、イランの著名な人権活動家です。そのためにイラン当局から目を付けられ、逮捕や尋問、海外渡航禁止処分などを受けてきました。

2011年には、「国家の安全保障に反する犯罪を共謀した」罪と「反体制のプロパガンダを広めた」罪で6年の実刑判決を言い渡され、2012年4月に収監されました。同年7月、持病が悪化し治療のために一時的に釈放され、病院に移されました。

その後、収監されることはなかったのですが、2015年5月、自宅にいる時に再び逮捕されてしまいます。再収監のためだと告げられましたが、ナルゲスさんは、この逮捕は前年に欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表と会合を持ったことに対する報復だと考えています。2016年5月に追加の実刑判決を言い渡されてしまいましたが、その時に証拠とされたのはこの会合や国際メディアによる取材などでした。

追加でナルゲスさんに下された刑は「国家の安全保障に反する犯罪を共謀した」罪で5年、「反体制のプロパガンダを広めた」罪で1年、死刑廃止を目指す「非合法グループを設立した」罪で10年、計16年です。2011年の有罪判決と合わせると22年の刑が科されたことになります(実際の服役は最長刑の10年)。

アムネスティの取り組み

アムネスティは、2012年のライティングマラソンで取り上げるなど、ナルゲスさんの釈放を求める活動に長年取り組んできました。2015年の再逮捕以降は、緊急行動(UA)を何度も呼びかけています。2020年のUAでは、新型コロナウイルス感染が疑われるのに医療処置が受けられないことに対する懸念、刑務所で拷問や虐待を受ける懸念、刑務所での活動により新たに起訴される懸念を訴えました。

こうしたアムネスティの粘り強い活動が実り、2020年10月8日の朝、ナルゲスさんは釈放されました!

ナルゲスさんのために活動してくださったみなさん、ありがとうございました!