クラウディア・メディーナ・タマリスさんは、2012年、メキシコ海軍に拷問され、嘘の自白を強要されました。当局は彼女に電気ショックや殴る蹴るなどの暴行を加えたといいます。

クラウディアさんには身に覚えがなく、無実を主張しましたが、検察は彼女を武器の不法所持罪で起訴しました。

hrc_mexico_201502_02.jpg日本支部で集まった署名

アムネスティはクラウディアさんを救うために、世界中で署名活動を実施。起訴を取り下げ、彼女が受けた拷問を調査するよう連邦検察局に求めました。

日本からの2,100筆をあわせ、世界中から30万筆を超える署名が集まり、2014年9月、メキシコ支部でまとめて当局に提出しました。

そして、2015年2月、裁判所は遂にクラウディアさんの起訴取り下げを決定しました!

「今は、とても晴れやかな思いでいっぱいです。一人では決してやり遂げることはできませんでした。これまで闘ってこられたのは、みなさんが支えてくれたから」

知らせを受けたクラウディアさんは、涙ながらこう語りました。2年半、彼女は、拷問の経験とやってもいない罪に苦しみ続けました。またひどい目に遭うのではないかという不安に日々かられ、周りから疑いの目で見られて、子どもたちにもつらい思いをさせたといいます。

hrc_mexico_201502_03.jpgクラウディアさんとメキシコ支部のメンバー

軍による拷問が横行するメキシコ

メキシコでは、軍が”成果を出す”ために、一般市民を不当に逮捕・拘束、拷問によって自白に追い込み「犯罪者」をでっち上げるという事例が多く報告されています。クラウディアさんも、そうした被害者の1人で、メキシコでは、まだたくさんの人たちがこうした被害に苦しんいます。アムネスティの調査によれば、過去10年で被害件数は6倍に増え、7,000人以上の市民が連邦当局者から拷問を受けたと報告しています。しかし、これまで処罰された加害者はたったの7名です。

クラウディアさんは、これ以上同じような被害者をださないために、未だなされていない拷問の調査と加害者の処罰を求め、これからも活動家として問題解決に取り組んでいきたいといいます。アムネスティは今後も、クラウディアさんを応援し、拷問撲滅に向けて活動を続けます。

★ STOP TORTURE「拷問なんて、いらない!」キャンペーンに参加を!

2014年、世界各地の拷問を止めるために、アムネスティは「拷問なんて、いらない!」キャンペーンを国際的に開始しました。2015年は、当局による拘束下で起こる拷問に焦点を当て、拷問を防止する制度 や枠組みを作ることを目指します。日本支部では、特にメキシコ、ナイジェリア、フィリピンのケースに取り組みます。

アクション期間 2014年6月26日~9月15日
署名提出日 2014年9月
署名提出先 メキシコ連邦検察局

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