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経済大国 中国が踏みにじる自由と命

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「一人っ子政策」によって強制的に堕胎させられた女性たちを支援したために、陳光誠さんは自宅軟禁下に置かれていました。軟禁からの脱出劇からおよそ1カ月後、国際社会の監視と圧力もあり、5月19日、陳光誠さんと妻子はようやく渡米できました。

しかし、山東省に残された家族や支援者は、政府からの迫害におびやかされています。

陳光誠さんの親族や支援者の身の安全を守るために、そして中国のすべての活動家の自由を守るために、あなたの力が必要です。


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世界第二位の経済大国・中国の光と影

民主化を求める人びとを弾圧し、数百人の命を奪った天安門事件が起きたのは1989年6月でした。あれから23年が経ち、急速に経済成長を続ける中国。しかし、人権のための改革は、23年前からほとんど変わっていません。

天安門事件で愛する人を失い、今なお公正な裁きを待ち続ける遺族たち。北京オリンピックや万博、都市開発など、成長を示す象徴的な出来事の影で立退きを強いられた住民たち。「一人っ子政策」のために強制的に堕胎させられ、傷ついた女性たち――さまざまな人権侵害によって苦しんでいる無数の人びとの声は、政府によって抑えられ続けています。

それでも、苦しむ人びとの代弁者となって、自らの危険もかえりみずに政府や国際社会に民主化や人権保障を求めている多くの活動家や弁護士、ジャーナリストは、確実に増えています。

人権活動家の自由を保障することは、その背後にいるたくさんの人びとの権利を守ることにつながります。そのためには、国境を越えて、ひとりでも多くの人が、中国政府をウォッチする必要があります。あなたの力を貸してください。

天安門事件~事件を語る自由が欲しい~

天安門広場に集結し、民主化を求める人びと 1989年6月天安門広場に集結し、民主化を求める人びと 1989年6月

今年5月、軋偉林さんが自宅で自殺しました。1989年に起きた天安門事件で、当時22歳だった息子を銃殺された軋偉林さんは、事件の真相究明と虐殺の責任を問う活動に取り組んでいました。発見されたメモには、遺族の声を無視し続ける政府に、死をもって抗議すると書かれていました。

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天安門の母たち~20年以上の孤高の日々に耐え、闘い続ける勇気ある人びと

「天安門の母たち」は、元人民大学教授の丁子霖(Ding Zilin)さんが創設した、1989年の天安門事件で、我が子や愛する人を失った遺族のグループです。

丁子霖さんを中心に、メンバーは天安門事件の犠牲者遺族を一軒一軒訪ねるなどして、事件で殺害された180人以上と負傷した70人以上の名簿を作成しまし た。そして当局に対し、合法的な人権擁護活動を認めるよう訴えつづけてきましたが、その結果、嫌がらせや差別、恣意的拘禁に遭ってきました。

中国政府は、今もなお、事件に関する公開討論を禁じており、今なお、雑誌、新聞、教科書、インターネット・サイトから、事件に関する記述を消しつづけています。

遺族にとって厳しい状況が続く中、2012年5月末、悲しい事件が起こりました。
メンバ-の一人、軋偉林(Ya Weilin)さんが自宅下の車庫で首を吊って自殺したのです。

死の直前、息子の死について書かれたメモを家族が見つけました。軋偉林さんは、政府が抗議の声を聞くことを拒絶したことに対し、死をもって抗議するとメモ に記していました。天安門事件の夜、当時22歳だった息子を銃殺されました。20年以上、軋偉林さんと妻の張振霞(Zhang Zhenxia)さんは、政府が1989年の犠牲者と遺族に対し償いを求める署名をし、抗議活動に参加していました。

アムネスティはこれからも「天安門の母たち」や他の人権擁護活動家たちを支持し、天安門事件に関して、「非暴力の活動をして捕らわれた人たちの釈放」「徹底かつ独立した公正な調査」「加害者への法的処罰」「犠牲者やその家族への賠償」を要求していきます。

盲目の活動家・陳光誠さん~「一人っ子政策」で苦しむ女性たちを支援~

村人から人権侵害の聞き取りを行う陳光誠さん村人から人権侵害の聞き取りを行う陳光誠さん

陳光誠さんは、「一人っ子政策」の下で、地方政府が数千人の女性に堕胎を強制していると告発しました。その報復として、不当な裁判によって禁固刑となり、釈放後も厳しい自宅軟禁下に置かれました。

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自宅軟禁から脱出!盲目の活動家、陳光誠さん

陳光誠(Chen Guangcheng)さんは2010年9月9日に釈放されましたが、直後から自宅軟禁に置かれ、2012年4月下旬、友人の助けを借りて脱出し、米大使館に保護されました。

国際的な批判と米中の交渉の結果、陳光誠さんはニューヨーク大学への留学という形で出国が認められ、2012年5月19日、北京を発ち、妻と子どもとともにニューヨークに到着しました。

現在、中国政府は、山東省に残された陳光誠さんの親族に報復を始めており、監視体制は厳しさを増しています。

背景情報

盲目の弁護士で人権擁護活動家・陳光誠さんは2006年8月、山東省において、財物損壊罪と交通秩序撹乱(かくらん)罪で懲役4年3カ月の刑を言い渡されました。

陳さんは、数千人の女性に堕胎と避妊手術を強制する違法な政策を行っているとして村人が地方政府を告発しようとしていることを援助していました。

陳さんの年老いた母親は、判決の内容を聞いた直後、「この社会には、人間の心が残されていない」としか語れませんでした。

陳さんは3カ月間、外部との連絡を遮断されたまま拘禁され、後に「公共の財産を損壊し、人を集めて交通を妨害した」として2006年6月に起訴されました。陳さんは2005年9月から自宅に軟禁されていました。

陳さんの事件は、中国の弁護士や活動家が、恣意的に逮捕され、不公正な裁判の後に有罪判決を受けて入獄させられるという典型的な例です。
 

ノーベル平和賞受賞者・劉暁波さん
~この賞を、天安門の犠牲者に捧げたい ~

作家であり活動家でもあった劉暁波さんは、2008年に中国の民主化と人権の保障を謳った「08憲章」の起草者として11年の拘禁刑となりました。同年、獄中にありながらノーベル平和賞を受賞し、世界の注目を集めました。

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獄中のノーベル平和賞受賞者と空っぽの椅子

劉暁波(Liu Xiaobo)さんは2010年10月8日、中国における基本的人権のための非暴力の取組みが評価され、獄中でノーベル平和賞を受賞し、世界の注目を浴び ました。発表後、刑務所で面会した妻の劉霞(Liu Xia)さんを通じて「平和、民主化、自由のために闘ってきた天安門事件の犠牲者すべてにこの賞をささげる」と語り、涙を流したと伝えられました。

中国政府はこの受賞を批判し、受賞式に出席しないよう、各国に圧力をかけました。しかし、多くの国の代表が参加する中で受賞式が行われ、獄中にいる劉暁波さんのために、また、中国政府への批判の意味を込めて、「空っぽの椅子」を用意しました。

劉暁波さんは2008年12月、中国の政治改革を求める「08憲章」を起草しました。このことが原因で逮捕され、「国家政権転覆扇動」罪という根拠のない罪で懲役11年の判決を受けました。劉暁波さんの妻、劉霞さんも厳しい監視下に置かれています。

アムネスティは、中国政府が検閲によって人びとの表現の自由を弾圧している問題を訴えています。劉暁波さんや同様の理由で投獄されている人びとが即時・無条件に釈放されるよう、中国当局に要請しています。

自由を求めた「08憲章」

劉暁波さんは、2008年12月に知人らとともに「08憲章」を発表し、自由・人権・平等が人類共通の普遍的価値であり、共和・民主・憲政が現代政治の基 本的制度枠組みであることを訴え、中国が国連安全保障理事会の常任理事国として、また人権理事会のメンバーとして、人類の平和事業と人権の進歩に貢献する ことを求めました。

中国当局は2008年12月8日に、「08憲章」発表直後に劉暁波さんを拘禁し、その後半年間、警察は起訴もせず、弁護士との接見も許しませんでした。さらにその他の適正な手続きを踏まず、また拘禁場所も明かさないまま、半年にわたって劉暁波さんを拘禁し続けました。

2009年6月23日に政府転覆扇動などの容疑で正式に逮捕され、わずか2時間の審理の翌日、同年12月25日に判決を受けました。2010年2月に控訴が棄却され、11年の拘禁刑と政治権利はく奪2年が確定しました。

現在、遼寧省の錦州(Jinzhou)刑務所服役中です。
 

 

誰かの『絶望』を『希望』に!あなたの声にはその力があります。

人権活動家の自由を保障することは、その背後にいるたくさんの人びとの権利を守ることにつながります。隣国中国の人権擁護活動家を救うキャンペーンへのご支援をぜひお願いします。お預かりしたご支援は、自由を奪われた活動家を救うために使わせていただきます。
※オンラインでのご寄付の際は、コメント欄に中国キャンペーンとご入力ください。

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