一斉弾圧から1年:あなたも中国の人権派弁護士の自由を求めるアクションを!
いまも続く、人権派弁護士への弾圧
中国で今、前代未聞の規模で人権派弁護士や人権活動家が弾圧されています。
今から約1年前、2015年7月9日に全国規模で始まったこの弾圧では、2016年6月8日までに248人の人権派弁護士や活動家が標的にされています。中国当局は、18人を正式に逮捕、その内14人を国家の安全に関わる罪で起訴しました。
さらに中国政府は最近、「弁護士制度改革推進に関する指針」を発表。弁護士や法律事務所の「違法行為への処罰」などが盛り込まれており、今まで以上に、人権派弁護士が活動をできなくなるように追い込もうとしています。
弾圧対象となった弁護士や活動家は、中国の憲法や国際法で認められた人権を守るために、多くの市民の代弁者となって活動していました。アムネスティは、熱心な人権活動のために拘束されているこのような人々の、即時釈放を求めています。
Thunderclapで中国の人権派弁護士の自由を求めるメッセージを!
「Thunderclap(サンダークラップ)」は伝えたいメッセージに対する賛同を募り、SNS上で同時に一斉拡散するツールです。このツールを使って、人権派弁護士の自由を求めるメッセージに賛同し、その拡散にご協力ください。7月9日は、人権派弁護士への大規模な弾圧が始まった日。この日はネット空間をメッセージで埋め尽くして、中国政府の人権派弁護士への弾圧を阻止しましょう!
Thunderclapの使い方
下記の手順にしたがって7月8日までにサポーター(支援者)として登録すると、事前にアムネスティが設定した日時(7月9日18:00)に、あなたのSNSへ、中国の人権派弁護士の自由を求めるメッセージを流すことができます。
サポーター全員が同時に同じメッセージを流すことで発信の社会的影響力を強めます。
- Thunderclapアクションページを開く
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赤い囲みの中から、メッセージをシェアするメディアを選ぶ
(Facebook、twitter、Tumblrの3つから選択) - シェアするメッセージの内容を確認の上、「サポートする」をクリック
- ユーザ名・パスワード等を入力し、「連携を許可」をクリック
これで設定は終了です!2016年7月9日18時(日本時間)になると、あなたのタイムラインやツイートに3.のメッセージが投稿されます。
<メッセージの内容>
#China must immediately stop the crackdown against lawyers & activists which began a year ago #FreeTheLawyers (日本語訳:中国は1年前に始まった弁護士や活動家への弾圧をやめてください 弁護士たちに自由を)
弾圧の対象となった弁護士、活動家たち(一部)
王宇(Wang Yu)、包龍軍(Bao Longjun)
王宇さん
包龍軍さん
(王宇)生年月日:1971年5月1日
(包龍軍)生年月日:1970年2月8日
王宇さんは、北京の鋒鋭法律事務所に所属する著名な女性弁護士である。王宇さんは、政府が近年政治的に敏感な問題とみなす重要な人権問題に多数関わってきた。著名なウイグル人学者であるイルハム・トフティさんの弁護も、その一つである。
2015年7月9日早朝、王宇さんは友人たちに、「インターネットと電気が切断され、何者かが自宅に押し入ろうとしている」とメールを送った後、消息を絶った。同じく弁護士である夫の包龍軍さんと16歳の息子の包卓軒さんも連行されたが、息子は後日、祖父母のもとに戻された。
王宇さんと包龍軍さんは2人とも、2015年8月、国家政権転覆扇動容疑で、どこかで居住監視のもとにおかれた。
2016年1月8日、 王宇さんは国家政権転覆容疑で正式に逮捕され、現在は天津市第1看守所に拘禁されている。包龍軍さんも同じ日、国家転覆扇動容疑で逮捕され、現在は天津市第2看守所に拘禁されている。
拘禁中、2人は弁護士や家族にまったく会えなかった。2016年2月18日、王宇さんの弁護団の一人、文東海さんが王宇さんに面会するため、天津市第2看守所へ行った。ところが、面会要求は認められなかった。さらに、当局から「王宇さんがあなたを解任する」と告げられたが、本人が本当にそういったのかを示す書類は、何も提示されなかった。
王全璋(Wang Quanzhang)
王全璋さん
生年月日:1976年2月15日
王全璋さんも、王宇さん、包龍軍さんと同じ鋒鋭法律事務所に所属している。彼は、法輪功修練者、新公民運動、居住権活動家の倪玉蘭さんなどの人権問題に関わる事件を担当してきた。
彼は2015年7月10日に連行され、その後、騒動挑発容疑で拘禁された。その後、国家政権転覆扇動容疑も加わり、いずれかの場所で居住監視を受けていた。2016年1月8日、国家政権転覆容疑で正式に逮捕され、現在は天津市第2看守所に拘禁されている。
彼は過去に、拷問を受けたことがある。2015年6月18日、彼が複数の法輪功修練者の弁護にあたり、山東省聊城市東昌府区法院(裁判所)で発言中、裁判官に中断され、法廷秩序を妨害したとして、法廷から退出を命じられた。彼は法廷の警官に別室へ連れ込まれ、殴られたという。
李和平(Li Heping)
李和平さん
生年月日:1970年10月26日
李和平さんは、北京の全球法律事務所に所属する。キリスト教徒、反体制派、強制立ち退きの被害者など多くの人権問題に関わってきた。
2015年7月11日午後に連行され、その後どこかで居住監視を受けてきた。2016年1月8日、国家政権転覆容疑で正式に逮捕され、現在は天津市第1看守所に拘禁されている。
天津市公安局河西分局は弁護団の面会要請を認めず、彼が拘禁されている場所と理由すら教えなかった。2016年2月、当局は弁護士に「李和平はあなたたちを解任した」と伝えたが、それが本人の意思であることを示すものは何も提示されなかった。
李さんは、2008年、全米民主主義基金(National Endowment for Democracy: NED)から「信仰の自由のための民主主義賞」を、欧州弁護士会評議会(Council of Bars and Law Societies of Europe: CCBE)から人権賞を、それぞれ受賞した。
謝陽(Xie Yang)
謝陽さん
生年月日:1972年2月4日
謝陽さんは湖南省長沙市の天地人法律事務所に所属していた。彼も、盲目の人権活動家・陳光誠さんを支援するなど、数々の人権問題に関わってきた。
彼は2015年7月11日に連行された。翌日からは、国家政権転覆扇動および法廷秩序妨害の容疑で、どこかで在宅監視に置かれた。湖南省長沙市公安局は、謝陽さんが国家の安全にかかわる容疑者であるという理由で、弁護士の面会申請を退けた。
2016年1月9日、国家政権転覆扇動容疑で正式逮捕され、現在は長沙市第2看守所に拘禁されている。
趙威 (Zhao Wei [別名:考拉] 李和平弁護士の助手)
趙威さん
生年月日: 1991年10月20日
学生時代、彼女は弱い立場の人々を支援したいと思い、LGBTIの人々の権利やHIV啓蒙などの活動に参加した。人権問題に関心を深めた彼女は卒業後、北京の全球法律事務所に入所し、李和平弁護士の助手となった。そこで彼女は人権にかかわる数々の訴訟や運動に参与した。
2015年7月10日に拘束され、2016年7月8日、国家政権転覆容疑で正式逮捕された。現在、天津市第1看守所に拘禁されている。拘禁中、性的虐待を受けているという報告がある。夫や弁護士が面会を希望しても、当局は拒んでいるという。
【追加情報 2016.07.07】 趙威さん保釈!!
趙威さんが7月7日付で保釈(中国語で「取保候審」)されたとのニュースが入ってきました。趙さんの拘束が解かれたのは歓迎すべきことですが、彼女は引き続き当局の監視下に置かれ、起訴される可能性もまだ残っています。拘束中に性的虐待を受けたおそれがあるとも報じられていましたが、その真相も明らかになっていません。
趙威さん、そして依然として拘束されている17人について、引き続き関心を持ってくださるようお願い申し上げます。
参考となるアムネスティ文書
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「CHINA: LATEST INFORMATION ON CRACKDOWN AGAINST LAWYERS AND ACTIVIST」
※人権派弁護士や活動家への弾圧に関する最新状況を、随時更新しています。 -
「中国:国連拷問禁止委員会第63会期 中国政府の報告書審査に向けたアムネスティの提言書(日本語訳)」
※人権派弁護士や活動家に対する弾圧についても言及しています。
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